地方移住を検討している方の中には、空き家バンクの利用を考えている方も多いのではないでしょうか?
空き家バンクは、地域への定住を促進するため、自治体が地元の空き家情報を集め、希望者に紹介して引き合わせる仕組みです。
ここでは、空き家バンクを利用するメリットと、利用時の注意点について一緒に学んでいきましょう。
この記事で分かること
- 空き家バンクの仕組み
- 地方移住を検討する際の空き家バンクの活用法
- 空き家バンクを活用する際の注意点
そもそも空き家バンクとは?
そもそも、空き家バンクとはどのようなものなのでしょうか。
まずは、この空き家バンクの仕組みについて見ていきましょう。
空き家バンクの目的
空き家バンクの主な目的は、以下の3点です。
①空き家の再利用促進
放置されている空き家を再活用することで、その価値を最大限に引き出します。
➁地域活性化
移住者を引き寄せ、地域経済や社会活動を活発にすることを目指します。
③移住・定住の支援
地方への移住・定住を支援し、人口減少問題の解決に寄与します。
空き家バンクの仕組み
空き家バンクの仕組みについては、次のようになります。
①所有者による登録
空き家を売却・賃貸したい所有者が、空き家バンクに物件情報を登録します。
➁自治体による情報公開
自治体(主に市や町)が、公式サイトなどを通じて空き家情報を公開します。
③申込者への紹介
物件に興味を持った人が申し込み、自治体が所有者に紹介します。
④契約手続き
契約は、自治体が不動産業務を行わないため、専門の宅建業者や不動産会社を通じて行われます。
自治体の窓口とその役割
空き家バンクを運営しているのは、主に自治体です。
最近ではこの他に、民間団体やNPOなど行政以外が運営を担うケースや、行政と企業やNPOが連携して運営するケースも増えています。
地方自治体の役割には、以下の3つがあります。
①相談窓口の設置
空き家バンクに関する相談窓口を設けることで、物件の問い合わせや登録希望者へのサポートなど、利用者がスムーズに情報を得られるよう支援しています。
➁移住・定住支援
移住希望者には、空き家情報だけでなく、地域の生活環境や支援制度も提供し、移住者がスムーズに新しい地域に適応できるようサポートします。
③地域の活性化
空き家の活用を通じて地域の魅力を引き出し、空き家問題の解決を図るとともに、地域社会の持続的な発展に貢献します。
移住支援に関するコラム
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空き家バンクを利用した移住のメリット
では、空き家バンクを利用することのメリットは何なのでしょうか。
空き家バンクを活用することで、移住者にとってだけでなく、地域や自治体にも多くのメリットが生まれます。
移住先としての空き家物件の可能性
空き家バンクは営利目的で運営されていないため、仲介手数料がかからず、新しく土地を取得して新築するよりも、格安で家を購入したり借りたりすることができます。
このように、空き家バンクを利用することで低コストでの移住が実現できるメリットがありますが、
ここでは、①家を探している人、➁空き家の処分に悩む所有者、そして③自治体の三者それぞれのメリットをご紹介します。

空き家バンクを利用することで、三者間にメリットが生まれます。
①空き家バンクを利用する人へのメリット
空き家バンクを利用することで、低コストで住居を取得できるのが移住者への大きなメリットです。
仲介手数料が不要なため、経済的な負担を軽減しつつ、地域内の多様な物件から自分の希望に合った住居を選ぶことができます。
また、移住先の地域に関する生活環境や支援制度の情報も提供されるため、新しい生活の準備がしやすくなります。
➁空き家の処分に悩む所有者へのメリット
空き家の処分に悩む所有者にとって、空き家バンクは迅速な売却や賃貸の機会を提供します。
仲介手数料がかからないため、コストを削減しつつ効率的に物件を処分できるのがメリットです。
さらに、空き家が地域で活用されることで地域貢献にも繋がり、地域の空き家問題の解決に寄与することができます。
③地方自治体へのメリット
空き家バンクを通じて地域の活性化を図ることができます。
空き家の利用促進により、地域の人口増加や活性化が進み、空き家問題の解決にも寄与します。
また、仲介手数料が不要なため、予算を他の地域活性化施策に振り向けることができ、行政コストの削減にも繋がります。
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空き家バンクを利用するまでの流れ
では、実際に空き家バンクを利用するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。
最後にこの章では、利用開始までの大まかなステップについて解説していきます。
物件を取得するまでの3ステップ
物件を取得するまでの3つのステップを、以下にまとめます。
①物件情報を確認し、条件の合う物件を見つける
空き家バンクのウェブサイトや役所の窓口で物件を探し、気になる物件があれば担当者に連絡を取ります。
➁現地見学で物件の状態を確認する
現地見学では、特に老朽化が進んでいる可能性もあるため、物件の状態を細部まで確認することが大切です。
③所有者と賃貸借契約を結ぶ
現地見学で問題がなければ、賃貸借契約を結び、契約書に記載された家賃、契約期間、リフォーム条件を確認したうえで契約を進めます。

近年では、仕事と住まいの両立を支援している地方企業も増えてきていますよ。
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空き家バンクを利用する際の注意点
空き家バンクの物件は、長期間放置されていたり老朽化が進んでいることが多いため、現地確認が欠かせません。
インターネット上の情報や写真だけでは、物件の正確な状態を把握するのは難しいため、必ず現地で直接確認しましょう。
現地では、建物の外観だけでなく、内部も詳細にチェックすることが重要です。
特に、壁や床、天井に亀裂やシミ、カビがないか、建具が正常に開閉するかを確認しましょう。
また、物件を取得する際には、地域のルールや規制を確認し、物件の権利関係にも注意を払う必要があります。

不動産を取得する際には、関連する公的制度を理解しておくことも大切です。
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まとめ
今回の記事のまとめです。
空き家バンクの主な目的は、地域への移住・定住を促進し、地元住民を増やすことです。
具体的には、空き家を売りたいまたは貸したい所有者からの登録を受け付け、自治体が公式サイトで情報を公開します。
空き家バンクは主に自治体によって運営されており、そのため、仲介手数料がかからず、低コストでの移住が可能です。
しかし、物件を利用する前には、実際に物件を内見するなど、現地での確認を行うことが重要です。