「住宅ローンを借り換えたら、どれくらいお得になるの?」
こうした疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
住宅ローンの借り換えは、月々の返済額を軽減できる可能性がある一方で、慎重な検討が必要です。
たとえば、金利の見直しによって本当に支出が減るのかどうか、借り換え時に発生する手数料や諸費用の負担、さらに返済期間の設定など、事前に確認すべきポイントは多岐にわたります。
この記事では、住宅ローンの借り換えを成功させるために知っておきたいポイントについて詳しくお伝えしていきます。
この記事で分かること
- 住宅ローンを借り換えることで得られるメリット
- 借り換えで注意すべきポイントやリスク
- 借り換えを考えるベストなタイミングとは

借り換えに伴って発生する費用や、返済額の変化について詳しく見ていきましょう。
住宅ローン借り換えのメリットとは?

住宅ローンは一般的に30年などの長期間にわたって返済するため、わずかな金利差でも総返済額に大きな違いが生じます。
そのため、借り換えによって月々の返済額を抑えたり、最終的な支払総額を減らしたりすることが可能です。

まず最初に、住宅ローン借り換えのメリットについて確認していきましょう。

支払い額の減少と金利引き下げの効果
住宅ローンの借り換えには、主に「月々の返済額の軽減」と「適用金利の引き下げ」という2つのメリットがあります。
住宅ローン借り換えのメリット
①低金利での借り換え
現在のローンより低い金利を適用できるため、利息負担が減り、総返済額を大幅に節約できます。
②返済期間の延長
返済期間を延ばすことで、毎月の返済負担を軽くし、家計の負担を和らげることができます。
なぜ借り換えで返済総額が軽減されるの?
では、なぜ借り換えによって返済総額が軽減されるのでしょうか。
主な理由は、金利タイプの変更によって金利が下がることや、返済方式の見直しによって無理のない返済計画が立てやすくなることにあります。

ここでは、その具体的な理由を3つに分けて解説していきます。
1. 返済方法や金利の見直しができる
借り換えを通じて、例えば、現在の元利均等返済から元金均等返済に変更することができます。
元金均等返済にすることで、初期の返済額は高くなりますが、総返済額を抑えられる場合があります。
また、現在のローンが固定金利の場合、変動金利に借り換えることで、金利が低く設定され、月々の返済額が軽減される可能性があります。
2. 繰上返済がしやすくなる
新たなローン契約を結ぶことで、繰上返済をしやすくなることがあります。
特に、元金の返済方法や繰上返済手数料が緩和されるケースが多いため、返済計画を柔軟に見直すことが可能です。
例えば、繰上返済手数料が無料または低額に設定されている場合、余裕ができたタイミングで一部繰上返済を行いやすくなり、返済期間を短縮することができます。
これにより、総支払利息が軽減され、早期完済が可能になることで、長期的に大きな経済的メリットを得られます。
3. 借入額を増やすことができる
住宅ローンの借り換え時に、必要に応じて追加でお金を借りることができます。
この「借り換え+借入額増加」という方法を利用することで、リフォーム費用や教育資金、生活費などを含めた資金調達を行うことができます。
例えば、住宅を購入した後にリフォームが必要になった場合や、子どもの教育費用を捻出したい場合に、この方法を活用することができます。
ただし、借り換えによって追加でお金を借りる場合、元々の住宅ローンに加えて新たに借り入れ額が増えるため、月々の返済額が増加する可能性もあります。
そのため、返済負担を無理なく支払えるかどうかを慎重に検討する必要があります。

借り換えの際に追加で資金を借りる場合、その金利の適用方法は契約内容によって異なります。
詳しくは、以下のⒶⒷをご確認ください。
Ⓐ合算方式
住宅ローンの借り換えと追加借入額が合算され、総額に対してひとつの金利が適用される形です。
Ⓑ分割方式
住宅ローンの借り換え部分には既存の金利が適用され、追加借入額には新たな金利が適用されるため、両者で異なる金利が適用されます。
住宅ローンについて相談できるサイト
・住宅ローンの見直しはモゲチェック
住宅ローン借り換えの注意点

第一章でお伝えしたように、借り換えには多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットもあります。

この章では、借り換え時に注意すべきポイントについて見ていきましょう。
手数料や費用がかかる
借り換えに伴い、融資手数料や登記費用、保証料などの諸費用が発生する場合があります。
これらの費用は借り換え時に一括で支払う必要があり、短期間での返済を考えている場合は負担が重く感じられることもあります。
特に、借り換え後のローン残高が少ない場合や返済期間が短いと、諸費用の負担が相対的に大きくなり、借り換えのメリットが薄れることがあります。
また、一度にまとまった費用が必要になるため、資金繰りに影響が出る可能性もあります。
返済期間が延びる可能性がある
借り換えを行う際、返済期間を延ばすことができます。
この場合、月々の返済額は減りますが、その分、総支払額(利息の総額)が増える可能性があります。
特に返済期間が長くなると、元本が長期間残るため利息が多く積み重なり、最終的な支払額が大きくなることがあります。
そのため、返済期間を延ばす際は、月々の負担軽減と総支払額の増加の両方に注意する必要があります。
ローン契約の条件に違約金が発生する場合がある
現在のローン契約に「途中解約」や「借り換え時の違約金」が設定されている場合、借り換えを行うとこれらの違約金が発生することがあります。
特に固定金利型の住宅ローンでは、借り換え時に解約料や違約金が高額になることが多いです。
そのため、借り換えによる金利引き下げや返済額の減少が、最初に支払う違約金を上回るかどうかを計算することが重要です。

途中解約や借り換え時の違約金を把握し、その金額が金利引き下げや月々の返済額減少で相殺できるかをシミュレーションしましょう。
参照コラム
・住宅ローンの一括返済は本当に正解?資産形成とのバランスを考える判断軸
借り換えに適したタイミングとは?

金利が低いタイミングでの借り換えは重要なポイントですが、それ以外にも検討すべき要素があります。

最後に、借り換えに適したタイミングについて見ていきましょう。

借り換えに適した3つのタイミング
住宅ローンの借り換えに適したタイミングとして、主に以下の3つが挙げられます。
①金利が低いタイミング
金利が低い時期に借り換えることで、現在の金利よりも低い条件でローンを組み直せ、月々の返済額を軽減できます。
特に固定金利は変動金利と比べて金利が高めに設定されていることが多いため、現時点での変動金利と比較し、より有利な条件で借り換えるのが効果的なタイミングの一つです。
➁ローン残高が大きい場合
ローン残高が多いほど、借り換えによる金利引き下げの効果は大きくなります。
特に返済期間が長い場合は、金利差を活かして総支払額を抑えられる可能性が高いため、借り換えを検討するタイミングの一つです。
③生活環境の変化や返済計画の変更が必要な場合
家庭のライフスタイルや収入に変化があった際には、返済額や返済期間の見直しが必要になることがあります。
収入が増えた場合は繰り上げ返済を検討し、逆に収入が減った場合は返済期間を延ばして月々の負担を軽減することが一般的です。
そのため、こうしたライフイベントに合わせて借り換えを検討することも、借り換えのタイミングの一つと言えます。

借り換えを検討する際は、ライフプランを見越した返済計画を立てることが大切ですよ!
参照コラム
・住宅ローン前に!ライフイベントを見据えた返済プランが大切な理由
まとめ
今回の記事のまとめです。
住宅ローンの借り換えは、月々の支払いや金利負担を軽減できますが、手数料や違約金がかかる場合があるため注意が必要です。
そのため、借り換えを検討する際は、ライフスタイルや収入の変化に合わせて返済計画を柔軟に見直すことが大切です。