住宅ローンの金利選びは、家計に影響を与える大切なポイントです。
特に「固定金利」は、契約時の金利が返済期間を通じて変わらないため、将来の返済額を予測しやすく、生活設計の見通しを立てやすいのが特徴です。
しかし、固定金利には3年、5年、10年といった複数の期間タイプがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
本記事では、固定金利の基本的な仕組みを解説するとともに、押さえておきたい注意点についてご紹介します。
この記事で分かること
- 固定金利の基本的な仕組み
- 固定金利の期間タイプ別のメリット・デメリット
- 固定金利を選ぶ際に押さえておきたいポイント

3年、5年、10年の固定金利タイプが家計に与える影響について、詳しく見ていきましょう。
住宅ローン金利選びの基本:固定金利の種類と特徴

そもそも、住宅ローンの金利タイプには「固定金利」と「変動金利」があります。
固定金利のメリットは、契約時に決まった金利が返済期間中変わらないため、毎月の収支バランスを整えやすいことです。

まず最初に、固定金利の3つのタイプの特徴を見ていきましょう。
固定金利タイプ別(3年・5年・10年)の特徴まとめ
固定金利は一定期間、金利が変わらないことはご存じかと思いますが、その期間の長さや契約後の対応によって、家計への影響や返済計画の立て方が変わります。
そして、冒頭でお伝えしたように、固定金利には3年、5年、10年のタイプがあります。
3年固定金利
・契約から3年間は金利が固定され、その後は固定金利を継続するか、変動金利に切り替えるかを選べる柔軟性があります。
5年固定金利
・契約から5年間は金利が固定され、中期的に安定した返済額が続くため、家計の見通しが立てやすくなります。
10年固定金利
・契約から10年間は金利が固定され、返済額が安定することで、将来の金利上昇リスクを避けつつ、長期的な家計管理がしやすくなります。
固定金利は変動金利よりも金利が高いの?
一般的に、固定金利は変動金利よりも金利が高めに設定されることが多いです。
これは、固定金利では契約期間中ずっと金利が変わらず、金融機関が将来の金利上昇リスクを負うためです。
つまり、金利が上がっても返済額が変わらない分、銀行側は利ざやが減るリスクを避けるため、最初から少し高めの金利を設定します。
一方、変動金利は市場の金利動向に合わせて金利が変わるため、契約時の金利は比較的低めに設定されていますが、将来的に金利が上がると返済額が増えるリスクがあります。
参照コラム
・市場金利が住宅ローンに与える影響とは?固定・変動金利の判断基準
固定金利を選ぶ判断基準は?

先ほどの章でお伝えしたとおり、固定金利の3つのタイプにはそれぞれ特徴があるため、返済期間やライフプランに合わせて適切に選ぶことが大切です。

それぞれのタイプをどのように使い分けるべきか、ポイントをチェックしてみましょう。
固定金利期間が返済計画に与える影響を考慮する
住宅ローンの返済計画を立てる際は、固定金利の期間選びが大切なポイントになります。

返済期間に応じた、固定金利のタイプを3つ挙げてみます。
1. 短期間で集中的に返済を進めたい場合
3年固定金利が適しています。
この期間中は金利が比較的低めに設定されることが多く、元金を早めに減らすことで利息負担を軽減できます。
2. 中期的に無理なく返済を進めたい場合
5年固定金利が有効です。
一定期間金利が変わらないため家計管理がしやすく、計画的に返済を進めやすいのが特徴です。
3. 長期的な返済計画を優先する場合
10年固定金利を選ぶことが適しています。
長期間金利が固定されるため、金利変動のリスクを避けつつ、安定した返済が期待できます。

上記はあくまで金利タイプを選ぶ際の一つの目安です。
具体的な選び方については、次の章で詳しく解説していきます。
固定金利を選ぶ前に確認すべきポイント

返済方式を選ぶ際には、元金均等返済や元利均等返済など、さまざまな選択肢があります。

最後に、固定金利を選ぶ前に確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
固定金利を選ぶ前に確認すべきポイント4つ
固定金利を選ぶ際に確認しておきたいポイントとして、金利水準、返済計画の安定性、そして金融機関の提供条件などがあります。
1. 金利水準と返済期間
固定金利は通常、変動金利よりも高めに設定されることが多いですが、金利が一定であるため、金利上昇時にも返済額が安定するメリットがあります。
契約時に提示される金利が現在の市場金利と比べて高いか低いかを確認し、返済期間を通じてその金利が家計にどのように影響するかを予測しましょう。
2. 返済計画の安定性
固定金利の最大のメリットは、返済額が一定であることです。
これにより、将来的な返済額の変動による負担増を避け、家計の安定を図りながら計画的に返済を進めることができます。
そのため、収入に変動がある方や、将来の支払いに不安を感じる方に適していると言えます。
3. 金融機関の提供条件と手数料
各金融機関が提供する固定金利ローンには、金利以外にも事務手数料や繰り上げ返済手数料など、さまざまな費用が発生する場合があります。
また、手数料や契約条件には金融機関ごとに違いがあるため、金利だけでなく、契約に伴う諸費用も確認しておきましょう。
4. ローンの目的やライフプラン
ローンの目的やライフプランによっても、固定金利の選択は異なります。
短期間で返済を終えたい場合は、3年や5年の固定金利を選ぶことで、比較的低い金利負担で返済計画を立てられます。
一方、長期的な返済を考えている場合は、10年固定金利に加えて、変動金利を選択肢に加えるのも一つの方法です。

固定金利と変動金利、どちらがお得になるかは確約されているわけではありません。
大切なのは、不測の事態を想定した返済プランを立てることです。
まとめ
今回の記事のまとめです。
住宅ローンの金利には、固定金利と変動金利があり、返済方式も元金均等返済や元利均等返済など、いくつかの選択肢があります。
なかでも固定金利は、3年・5年・10年といった期間別にタイプが分かれており、返済期間やライフプランに合わせて選ぶことが大切です。