中退共(中小企業退職金共済)の掛け金は、従業員1人につき月額5,000円から3万円まで、16種類から選べます。
原則として掛け金は事業主が全額負担し、従業員が直接支払う必要はありません。
一方で、従業員が退職したときに受け取れる退職金は、加入期間や掛け金月額などによって異なります。
そのため、経営者は「毎月いくら負担するのか」、従業員は「退職するといくら受け取れるのか」を確認しておくことが大切です。
この記事では、中退共の掛け金について、月額の種類や事業主の負担額、従業員が受け取れる退職金の仕組みを分かりやすく解説します。
経営者と従業員、それぞれの立場から中退共の掛け金と受取額を確認していきましょう。
この記事で分かる3つのこと
- 中退共の掛け金の月額と種類
- 従業員が受け取る退職金の仕組み
- 経営者が負担する掛け金の仕組み

中退共制度の加入条件や、他の年金制度との違いについても一緒に確認していきましょう。
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そもそも、中退共制度とは?

そもそも、中退共制度とは退職金制度の一種で、掛け金には独自の規定があります。
まずは、中退共制度の基本的な仕組みについて詳しく見ていきましょう。

なお、老後のライフプランは、FPに相談することで、老後に向けてどのような準備が必要なのかを具体的に考えやすくなります。
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中退共制度の3つの特徴
中退共制度は、主に中小企業の従業員を対象にした、退職金積立のための公的共済制度です。
中退共制度の主な特徴には、以下の3つが挙げられます。
中退共制度の3つの特徴
①掛け金は事業主が負担
中退共制度では、掛け金を全額事業主が負担します。従業員の給与から掛け金を天引きするのではなく、事業主が毎月掛け金を納付して退職金を積み立てます。
②パート・アルバイトも加入できる
中退共制度は正社員だけでなく、一定の要件を満たすパートタイマーなども加入対象になります。雇用形態にかかわらず、条件を満たす従業員の退職金制度を整えられる点が特徴です。
③掛け金を損金・必要経費にできる
中退共制度の掛け金は、法人の場合は全額を損金、個人事業主の場合は必要経費として計上できます。そのため、退職金の準備をしながら税負担の軽減につなげられる点も特徴です。

中退共制度は、会社の代表や役員は基本的に加入できませんが、役員が従業員と兼任している場合は加入可能です。
参照:
厚生労働省『中小企業退職金共済制度(中退共制度)』
中退共制度の月額掛け金は16種類
中退共制度の月額掛け金は、5,000円から3万円までの16種類から選択できます。
従業員ごとに掛け金を設定できるため、企業は従業員の給与水準や退職金の準備額などを考慮しながら、無理のない金額を設定できます。
一般的な掛け金は次の16種類です。
【月額掛金の種類】
5,000円、6,000円、7,000円、8,000円、9,000円、10,000円、12,000円、14,000円、16,000円、18,000円、20,000円、22,000円、24,000円、26,000円、28,000円、30,000円

なお、短時間労働者の場合、掛金は2,000円~4,000円から選択できます。
参照:
中小企業退職金共済事業本部『掛金月額の種類』
中退共制度に加入できる企業・事業主の条件とは?

次に、中退共制度に加入するための条件について見ていきます。
企業側が中退共制度に加入する際には、業種に応じた特定の条件を満たす必要があります。
これには、企業の従業員数や資本金・出資総額が関係しており、業種ごとに異なる基準が設定されています。

この章では、企業が中退共制度に加入するための条件について、要点を押さえておきましょう。
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中退共制度の加入資格とは?
先ほどお伝えしたように、中小企業退職金共済(中退共)の加入条件は、業種によって異なります。
具体的には、企業が満たすべき条件として以下の4点が挙げられます。
小売業
従業員数50人以下、資本金または出資総額5,000万円以下
サービス業
従業員数100人以下、資本金または出資総額5,000万円以下
卸売業
従業員数100人以下、資本金または出資総額1億円以下
製造業・その他
従業員数300人以下、資本金または出資総額3億円以下
参照:
中小企業退職金共済事業本部『加入の条件』
中退共制度と他の退職金制度を比較

退職金の積立を目的とした制度には、中退共制度のほかにも企業年金や確定拠出年金などがあります。
それぞれ仕組みや掛け金の負担、運用方法が異なるため、どの制度を利用するかによって企業側の負担や従業員が受け取る退職後の資金にも違いが生じます。
では、中退共制度とほかの退職金制度には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

この章では、中退共制度と他の年金制度の違いについて整理してみましょう。
なお、退職後の生活を考えるうえでは、中退共制度だけでなく、公的年金でどの程度の収入を確保できるのかを知っておくことも大切です。
老後に必要な生活費や年金の不足額については、以下の記事👇で詳しく解説しています。
中退共・公的年金・企業年金の違いとは?
退職金の積み立てを目的とした制度にはいくつかの種類があり、その中でも企業が従業員の退職金を積み立てるために利用する中退共制度と、国民年金や厚生年金などの公的年金制度は、運用方法が異なります。

Ⓐ中退共、Ⓑ公的年金、Ⓒ第三年金の3つの制度について、それぞれの特徴を比較してみましょう。
Ⓐ中退共制度(中小企業退職金共済制度)
中退共制度は、主に中小企業のために設計された退職金積み立て制度です。
企業が掛け金を負担し、従業員の退職金を積み立てる仕組みになっています。
加入対象は、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイト、契約社員など、さまざまな雇用形態の従業員にも対応しています。
掛け金の額や加入方法が柔軟で、企業規模に応じて利用できる点が特徴です。
チェックポイント
・掛け金は企業負担
・退職金の積み立ては企業が計画的に実施
・税制上の優遇措置があり、法人税の軽減効果が得られる
・加入対象者は、雇用形態や勤続年数に関係なく広範囲にわたる
Ⓑ公的年金制度(厚生年金・国民年金)
一方で、厚生年金や国民年金は、主に老後の生活保障を目的とした公的な年金制度です。
これらの年金制度は、退職後の生活支援を目的としており、勤務先の規模に関わらず、ほぼ全ての労働者が加入します。
厚生年金は給与に応じて掛け金が引かれ、その積立額が自動的に決まりますが、退職後に年金として支給されるものです。
チェックポイント
・退職金の積み立てが目的ではない
・老後の生活資金の保障
・加入は義務であり、全ての労働者が対象
Ⓒ第三の年金(確定拠出年金など)
第三の年金(例えば確定拠出年金)は、退職金や老後の生活資金を自分で積み立てる個人型の年金制度です。
企業が導入することもありますが、基本的に加入者が掛け金を設定し、その運用を自己責任で行う点が特徴です。
運用方法によっては、積み立てた金額が大きく変動するため、リスクを伴います。
チェックポイント
・加入者自身で掛け金を設定し、運用を行う(原則)
・積立金額や運用結果によって金額が変動
・退職後に年金として受け取ることができる
中退共制度のメリットとは?従業員と企業の視点から解説

中退共制度には、従業員の退職後の資金を準備できるだけでなく、企業側にも退職金制度を整備しやすいメリットがあります。
最後に、中退共制度を導入することで、従業員と企業それぞれにどのようなメリットがあるかを見ていきましょう。
中退共制度の従業員と企業のメリット
中退共制度を導入することには、従業員と企業側それぞれに以下のメリットがあります。

従業員のメリットには、以下の2つが挙げられます。
従業員のメリット
①退職金の積み立てができる
企業が掛け金を全額負担するため、従業員は手間をかけずに確実に退職金を受け取れます。
➁年齢や勤続年数に関係なく加入可能
年齢や勤続年数に関係なく加入できるため、長期的に安定して退職金を積み立てることができます。

企業側のメリットには、以下の2つが挙げられます。
企業のメリット
①経費としての税制優遇
企業が負担する掛け金は全額が損金として計上でき、法人税の軽減効果を得ることができます。
➁従業員の福利厚生向上
退職金制度を提供することで、企業の信頼感や安定感が高まり、優秀な人材の確保や定着率の向上につながります。

なお、中退共制度を活用する際は、退職金所得控除についてもあわせて確認しておきましょう。
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まとめ|中退共の掛け金はいくら?負担額と受取額のポイント
中退共の掛け金は月額5,000円から3万円までの16種類があり、短時間労働者には2,000円・3,000円・4,000円の特例掛け金もあります。
掛け金は全額事業主が負担し、法人は損金、個人事業主は必要経費として計上できます。
退職時の受取額は、掛け金の月額や納付期間などによって異なるため、毎月の負担額だけでなく、将来受け取れる退職金も確認しておきましょう。


