住民税は、日本に住んでいる人にかかる税金です。
そのため、国籍に関係なく、一定の条件を満たすと在留外国人も住民税を支払う必要があります。
ただし、住民税は前年の収入をもとに計算される税金のため、
1年目と2年目では仕組みが違い、誤解されやすい税金でもあります。
この記事では、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、在留外国人の方に向けて、
住民税はいつからかかるのか、いくらくらい払うのか、転職や帰国するとどうなるのかを、わかりやすく解説します。
この記事で分かること
- 在留外国人に住民税がかかる条件と仕組み
- 1年目・2年目で住民税がどう変わるのか
- 住民税と具体的なシミュレーション

在留外国人の方が知っておきたい住民税の仕組みについて、一緒に見ていきましょう。
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在留外国人でも住民税はかかるの?

住民税は、その年の収入ではなく、前年の収入をもとに計算される税金のため、
日本で生活を始めた1年目と2年目では状況が大きく変わります。

まず最初に、住民税に関する基本的な知識を、分かりやすく説明します。
住民税を払う人・払わない人の条件
そもそも、住民税がかかるかどうかは、どのように決まるのでしょうか。
住民税がかかるかどうかは、国籍ではなく、日本に住んでいるかどうかで決まります。
日本人か外国人かは、住民税の判断では関係ありません。
ポイントになるのは、1月1日に日本に住所があるかどうかです。
この日に日本に住んでいると、その年の住民税の対象になる可能性があります。
また、住民税は前年の収入をもとに計算される税金です。
そのため、日本に来たばかりの1年目は住民税がかからないことが多く、
2年目になってから住民税の通知が届くケースがよくあります。

住民税を払う人・払わない人の条件をまとめると、以下のようになります!
✅住民税を支払う必要がある人
・1月1日に日本に住所がある人
(日本で生活していて、生活の拠点が日本にある人)
・前年に収入がある人
(日本で働いていた場合など)
✅住民税を払わなくていい人
・1月1日に日本に住所がない人
(すでに帰国している場合など)
・前年の収入が一定額以下の人
・日本に短期間だけ滞在している人
(短期滞在ビザなど)
参照サイト
・総務省『外国人の方の個人住民税について』
「日本に住んでいる」とはどういう意味?
住民税の話でいう、
日本に住んでいるとは、
日本に住所があり、生活の中心が日本にあることを指します。
つまり、単に日本に来ているだけでは、住んでいるとは判断されません。

住民税で日本に住んでいると判断される基準をまとめると、次のようになります。
日本に住んでいると判断されるポイント
・日本に住民票がある
・日本で家を借りて生活している
・日本で仕事をしている
・日本に長く住む予定がある
このような場合、
1月1日に日本にいれば、住民税の対象になります。

逆に、日本に住んでいないと判断されるポイントは、次のようになります。
日本に住んでいないと判断される例
・観光や短期滞在で日本に来ている
・数か月だけの滞在で、生活の拠点が海外にある
・すでに帰国していて、日本に住所がない
このような場合は、住民税の対象にならないことがあります。
ただし、日本で働いたり、長期滞在したりする場合は、資産形成の方法も検討できます。
👉 外国人はNISAを利用できる?
資料参照サイト
・国税庁『No.2012 居住者・非居住者の判定(複数の滞在地がある人の場合)』
住民税で気をつけたい租税条約とは?
日本には、同じお金に対して二重に税金を払わなくてもよいようにするルールがあります。
これを、租税条約(そぜいじょうやく)と呼びます。

これは、日本に住んでいる外国人が母国でも税金を払う必要がある場合や、
日本と母国で同じ収入に対して税金を払わなければならない場合に関係してきます。
租税条約の目的
・日本と母国で二重に税金を払わなくてもよいようにするため
・条約に従って、どちらの国で税金を払うかを決めるため
在留外国人が注意したいこと
・租税条約がある国かどうかで、住民税の扱いが変わることがある
・条約を利用するには、申告や手続きが必要
・日本での収入だけでなく、母国の収入も確認する必要がある
参照サイト
・国税庁『租税条約による判定』
なぜ1年目は住民税がかからないことが多い?

前章でお伝えした通り、住民税は国籍に関係なく、日本に住んでいる人にかかる税金です。
そのため、在留外国人であっても、一定の条件を満たす場合には住民税を支払う必要があります。

この章では、住民税が1年目と2年目で何が違うのか、順番に確認していきましょう。
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日本に来て1年目の住民税
日本に来て生活を始めた1年目、多くの在留外国人は住民税の請求が来ないことが多いです。
これは、住民税が前年の収入をもとに計算されるためで、日本での前年の収入がない場合は請求されません。
ただし、前年に日本で収入があった場合や、外国での収入を日本に申告するケースでは例外もあります。
1年目に請求がないのは、制度上「かからない」のではなく、
前年の収入がないため請求されないという点がポイントになります。

住民税の所得割は原則10%、均等割は年5,000円程度です。
具体的な計算方法は、第3セクションで解説します。
2年目に住民税の請求が来る理由
2年目になると、日本での前年の収入をもとに住民税が計算され、請求されます。
そのため、1年目には請求がなかった場合でも、2年目には突然通知が届くことがあります。
住民税は、所得割と均等割の2つで構成されます。
所得割:前年の所得に応じて計算される税金
均等割:誰でも一律でかかる税金
つまり、2年目には前年の日本での収入をもとに、これらの税額が合計されて請求されることになります。
そのため、日本で働く場合は日頃から収入や支出を整理し、税金の計算に備えておくことが大切です。
副業やフリーランスとして収入がある場合は、確定申告が必要になることもあります。
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給料から引かれる?自分で払う?
住民税の支払い方法には、2つの方法があります。
どちらになるかは、働き方や会社の対応によって決まります。
①給料から引かれる場合(特別徴収)
会社で働いている人の多くは、給料から住民税が毎月引かれます。
これを 特別徴収(とくべつちょうしゅう) といいます。
特徴
・会社が、給料から自動で住民税を引く
・自分で支払いに行く必要がない
・1年分の住民税を、毎月少しずつ支払う
注意点
・転職・退職すると、支払い方法が変わる
・会社によっては、特別徴収に対応していない場合もある
②自分で払う場合(普通徴収)
フリーランス・個人事業主・退職中の人などは、
自分で住民税を支払います。
これを 、普通徴収(ふつうちょうしゅう) といいます。
特徴
・市区町村から納付書が届く
・年4回に分けて支払うのが一般的
・コンビニや銀行、口座振替などで支払い可能
注意点
・支払いを忘れると、延滞金がかかることがある
・支払い時期を事前に確認しておく必要がある
関連記事
・給与明細でわかる税金の仕組み|給与所得・源泉徴収が手取りに与える影響
住民税はいくらくらい?目安を知ろう

ここで気になるのは、住民税はどのくらいになるのか、という点ですよね。
住民税の金額は、前年の収入や家族の状況、住んでいる市区町村によって異なりますが、
目安を知っておくことはとても大切です。

最後に、住民税の具体的なシミュレーションと、税に関する悩みの相談先について、見ていきましょう。
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住民税の計算方法とは?
前章では、住民税を計算する際に「均等割」と「所得割」を用いることを説明しました。
あらためて、住民税を求める際の計算の流れは、次のとおりです。

住民税は、①課税所得の計算、②所得割の計算、③住民税の算出という、3つの手順で求めることができます。
①課税所得の計算
まず、前年(1月〜12月)の総所得から、法律で認められている各種所得控除を差し引いて、課税所得を求めます。
所得控除には、基礎控除や社会保険料控除などがあり、すべての収入に税金がかかるわけではありません。
課税所得 = 総所得 − 所得控除
この課税所得が、住民税を計算する際の基準となる金額になります。
②所得割の計算
次に、①で求めた課税所得に、住民税の税率をかけて所得割を計算します。
所得割は、収入や生活状況に応じて金額が変わる部分の住民税です。
所得割 = 課税所得 × 10%
(市町村民税6%+都道府県民税4%)
なお、この税率は原則として全国共通ですが、自治体によって一部異なる場合があります。
③住民税の計算
最後に、所得割に均等割を加えて、1年間に支払う住民税の合計額を求めます。
均等割は、所得の多い・少ないに関わらず、一定額が一律で課される税金です。
住民税 = 所得割 + 均等割
この合計額が、翌年6月以降に通知され、給与からの天引きや納付書によって支払います。
関連記事
・所得控除の仕組みと活用法|納税者が節税効果を高めるためのポイント
具体的な納税額の目安|住民税シミュレーション
では、先ほどの計算式を使って、実際の住民税の金額を求めてみましょう。

以下では、設例1を使って、住民税の納税額を計算していきます。
設例1
・日本で働き始めて 2年目 の外国人男性
・年齢:30歳
・配偶者:なし
・扶養家族:なし
・就労形態:会社員
・前年の年収:400万円

以下の3つのステップで、計算の流れを見ていきましょう。
①課税所得の計算
まず、前年の給与収入から、給与所得控除と基礎控除を差し引いて、課税所得を求めます。
年収:400万円
給与所得控除:約124万円
給与所得:400万円 − 124万円 = 276万円
基礎控除:43万円
課税所得:276万円 − 43万円 = 233万円
②所得割の計算
次に、課税所得に住民税の税率をかけて、所得割を計算します。
所得割:233万円 × 10% = 23万3,000円
③住民税の計算
最後に、所得割に均等割を加えて、1年間に支払う住民税の合計額を求めます。
所得割:23万3,000円
均等割:4,000円
住民税合計:23万7,000円(年額)

つまり、上記のケースでは、住民税は約23万7,000円となり、
会社員の場合は、給与から毎月天引きされます(1か月あたり約19,700円)。
税金について困ったときは、どこに相談すればいい?
日本の税金の仕組みは複雑で、住民税や所得税について
「誰に聞けばいいのかわからない」と感じる方も多いと思います。
そんなときは、次の相談先を利用しましょう。
①市区町村役場(住民税の相談)
住民税についての相談は、住んでいる市区町村役場が窓口です。
納税額の確認や、納付方法、納付書をなくした場合などは、
市役所・区役所の税務課に相談できます。
➁税務署(所得税の相談)
所得税や確定申告については、税務署が担当しています。
年末調整や確定申告が必要かどうか分からない場合も、
最寄りの税務署に相談すると安心です。
③勤務先(会社員の場合)
会社員の方は、住民税が給与から天引きされるため、
毎月の控除額については、勤務先の総務・人事担当に確認できます。
④税理士(専門的な相談)
収入の種類が多い場合や、帰国・転職・副業がある場合は、
税理士などの専門家に相談するのも一つの方法です。
外国人対応に慣れている税理士も増えています。
⑤多言語相談窓口(外国人向け)
自治体や国際交流協会では、
外国人向けの多言語相談窓口を設けている場合があります。
日本語に不安がある方は、こうした窓口を活用するのもおすすめです。

自治体や国際交流協会では、外国人向けの多言語相談窓口が設けられていることがあります。
日本語に不安がある場合は、こうした窓口を活用すると安心ですね!
参照サイト
・『全国の相談窓口』
まとめ
今回の記事のまとめです。
住民税は、その年の収入ではなく、前年の収入をもとに計算される税金です。
そのため、日本で生活を始めた1年目は住民税がかからないことが多く、2年目から課税が始まるという特徴があります。
また、住民税の課税では、1月1日時点で日本に住所があるかどうかが重要なポイントになります。
