『配偶者控除と扶養控除は併用できるの?』
配偶者控除と扶養控除は、対象者が異なれば併用でき、所得税や住民税の負担を軽減できる場合があります。
しかし、それぞれの適用条件や控除対象者の違いについては、十分に理解しておく必要があります。
この記事では、配偶者控除と扶養控除の基本や併用できる条件、具体例から見る節税効果について、詳しく解説します。
この記事で分かる3つのこと
- 配偶者控除と扶養控除の基本と対象者の違い
- 配偶者控除と扶養控除を併用できる条件
- 具体例から見る併用時の節税効果

配偶者控除と扶養控除を併用した節税効果について、一緒に学んでいきましょう。
なお、各家庭で節税効果を高めたい場合は、日々の暮らしに役立つライフハックについても知っておくと、家計の見直しや支出の管理に役立ちます。
配偶者控除と扶養控除の違いとは?それぞれの特徴を解説

配偶者控除は配偶者に対して、扶養控除は扶養親族に対して適用されます。
配偶者控除は、納税者と生計を一にする配偶者の合計所得金額など、一定の要件を満たした場合に適用されます。一方、扶養控除は、一定の所得要件を満たす16歳以上の扶養親族がいる場合に適用されます。
そのため、配偶者と子どもや親など、対象者が異なる場合には、それぞれの条件を満たすことで両方の控除を受けられる可能性があります。

この章では、配偶者控除と扶養控除のそれぞれの適用条件を確認し、対象となる人の違いについて整理していきましょう。
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配偶者控除とは?
配偶者控除は、納税者が配偶者を扶養している場合に適用される国の公的制度です。
納税者の配偶者が一定の条件を満たすと、所得税や住民税が軽減されます。
主な条件は、配偶者の年間所得が58万円以下であること(給与収入の場合は年収123万円以下)、そして納税者の合計所得が一定額以下であることです。
この控除により、納税者の税負担が軽くなり、家計の負担を軽減する助けになります。

配偶者控除の概要については、以下のコラムで詳しく解説しています。
関連記事
配偶者控除の所得制限と生計一の条件|制限をクリアするための方法
扶養控除とは?
扶養控除は、納税者が16歳以上の扶養家族(配偶者を除く)を扶養している場合に適用される所得控除です。
この控除を受けることで、納税者の課税所得が減少し、所得税や住民税の負担が軽減されます。
扶養控除の対象となる扶養家族には、子ども、両親、兄弟姉妹などが含まれます。
控除額は扶養家族の年齢や所得に応じて異なり、高齢者や障害者を扶養している場合は、より多くの控除が適用されることがあります。

扶養控除の概要については、以下のコラムで詳しく解説しています。
関連記事
扶養控除が適用されないケースとは?学生や別居親族に関する注意点
配偶者控除と扶養控除の控除額はいくら?計算方法を解説

配偶者控除と扶養控除の控除額は、それぞれの適用条件や対象者の区分によって異なります。
また、配偶者控除は納税者本人の合計所得金額によっても控除額が変わります。
一方、扶養控除は扶養親族の年齢や同居の状況などによって控除額が決まります。

この章では、配偶者控除と扶養控除の控除額や計算方法について見ていきましょう。
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配偶者控除の控除額
配偶者控除の計算方法は、配偶者の所得や納税者の合計所得に基づいて決まります。

具体的な計算方法は、以下の通りです。
配偶者控除の要件
・配偶者の年収が123万円以下(給与所得者のみの場合、年収103万円を超えると対象外)。
・配偶者の所得が58万円以下(年収103万円未満の場合、給与所得控除後の所得金額が48万円以下)。
・納税者の合計所得金額が1,000万円以下であること。
控除額
Ⓐ納税者の合計所得金額が900万円以下の場合
・配偶者控除は38万円。
Ⓑ納税者の所得が900万円を超える場合
・控除額が減額され、最終的には控除されない場合もある。

配偶者控除の適用条件は、納税者と配偶者の所得・収入によって異なります。
| 納税者本人の合計所得金額 | 一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 |
|---|---|---|
| 900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
| 900万円超〜950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
| 950万円超〜1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
| 1,000万円超 | 0円 | 0円 |
出典:国税庁『No.1191 配偶者控除』より
扶養控除の控除額
扶養控除の計算方法は、扶養する家族(扶養親族)の所得や年齢によって異なります。

具体的な計算方法は、以下の通りです。
控除対象となる親族の条件
・扶養親族の年収が123万円以下であること(給与所得者の場合)。
・納税者と同居しているか、別居していても、生活の支援を行っている場合は対象。
・扶養親族が16歳以上で、一定の収入(例:103万円以下)であれば扶養控除が適用。
扶養親族の年齢や所得に基づく控除額
・一般の扶養親族(16歳以上):38万円
・特定扶養親族(19歳以上23歳未満、学生など):63万円
・老人扶養親族(70歳以上):48万円
・特定老人扶養親族(70歳以上で所得が少ない場合など):58万円

扶養控除の適用条件と控除額については、以下図2をご参照ください。
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族 | 38万円 |
| 特定扶養親族(19歳以上23歳未満) | 63万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上の同居老親等以外) | 48万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上の同居老親等) | 58万円 |
出典:国税庁『No.1180 扶養控除』より
配偶者控除と扶養控除の節税効果はいくら?具体例で解説

配偶者控除と扶養控除を理解することで、家計の可処分所得を改善しやすくなります。
最後に、配偶者控除と扶養控除の計算式を確認していきましょう。

控除額がどのように算出されるのか、その仕組みをイメージしながら見ていきましょう。
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配偶者控除と扶養控除を併用した場合の具体例
以下に、一般的な家庭を例に挙げ、配偶者控除と扶養控除を併用した実際の計算例を求めてみます。
前提条件
・納税者(夫):年収600万円(給与所得者)
・配偶者(妻):年収95万円(パートタイム)
・子供(16歳の高校生、年収なし)

上記のケースでは、次の3つのステップで合計控除額を求めることができます。
1. 配偶者控除の適用
・納税者の年収が1,000万円以下であるため、配偶者控除の対象となります。
・妻の年収が123万円以下であるため、配偶者控除が適用されます。
2. 扶養控除の適用
・16歳以上23歳未満で収入がない子供は、扶養控除の対象になります。
3. 合計控除額
配偶者控除:38万円
扶養控除:38万円(子供の扶養控除)
合計控除額:38万円 + 38万円 = 76万円

合計控除額は所得から差し引くことができます。
所得控除の詳細については、以下のコラムをご参照ください。
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所得控除の仕組みと活用法|納税者が節税効果を高めるためのポイント
まとめ|配偶者控除と扶養控除の併用条件と節税効果
それぞれ所得や年齢などの適用条件が異なり、控除額も対象者によって変わるため、家族それぞれの状況を確認したうえで、適用できる控除を判断することが大切です。
また、配偶者控除と扶養控除を併用した場合でも、控除額がそのまま節税額になるわけではありません。実際の税負担は、納税者の所得や税率などによって変わります。
配偶者や子ども、親などを扶養している場合は、それぞれの条件を確認し、利用できる控除を正しく申告しましょう。
※この記事は令和7年9月時点で執筆したものです。控除額は今後変更される可能性がございますので、最新の情報については国税庁の公式サイトをご確認くださいますようお願い申し上げます。


