熊の出没が全国的に増え、身近なリスクとして注目されています。
遭遇しないに越したことはありませんが、もし遭遇してケガをしてしまった場合、
医療費の負担や休業による収入減など、家計への影響は決して小さくありません。
では、熊による被害(ケガ・後遺障害・死亡)は保険でどこまで補償されるのでしょうか。
この記事では、熊被害で適用される可能性のある保険の種類に加え、
低コストで備えられる熊よけアイテムもあわせてご紹介します。
この記事で分かること
- 熊被害が家計に与えるリスクと、保険での補償範囲
- 保険でカバーできない部分への備え方
- 低コストで実践できる熊対策アイテム3選

熊被害に備えた保険と、日常でできる身近な対策をあわせて見ていきましょう。
熊被害は保険でどこまで補償される?

まんがいち熊被害に遭ってしまったら……考えるだけでも怖いですよね。
そんなときに頼りになるのが保険です。
特に、熊被害に適用される可能性のある保険には、人身を対象とした傷害保険や生命保険などがあります。

まずは、熊被害で活用できる保険の種類を整理してみましょう。
熊被害で適用される可能性のある4つの保険
先ほども触れましたが、熊被害で適用される保険の種類は大きく分けて、人身に対する保険があります。
そのため、被害の内容によって適用される保険が異なり、補償される範囲も変わってきます。

ここからは、熊被害で適用される可能性のある4つの保険について確認していきましょう。
1. 傷害保険
熊に襲われてケガをした場合に、まず頼りになるのが傷害保険です。
この保険は、人身に対する補償を行い、入院・通院・手術費など、熊によるケガにかかる費用をカバーします。
傷害保険の3つのポイント
・日常生活やレジャー中の事故に備える保険
・自動車保険やレジャー保険に特約として付帯されることもある
・熊によるケガも不慮の事故として補償される場合がある

※不慮の事故の定義については、次のセクションで詳しく解説していますよ。
2. 医療保険
ケガの治療費をカバーするために活用できるのが医療保険です。
人身に対する補償を行い、熊によるケガの治療費(入院・通院・手術)を対象とすることがあります。
医療保険の2つのポイント
・熊による事故は疾病ではなく事故として扱われる
・契約内容によって補償対象外になる場合もあるので、確認が必要
3. 生命保険
熊被害による万が一の死亡や後遺障害に対しては、生命保険が適用される場合があります。
これは、生命保険が不慮の事故による死亡や高度障害を補償対象としているためで、
熊に襲われた場合も条件を満たせば適用される可能性があるからです。
生命保険の3つのポイント
・高度障害や死亡に対して保険金が支払われる
・遺族の生活保障として活用できる
・契約内容によって補償条件が異なるため、事前確認が必要
4. 就業不能保険(所得補償保険)
熊被害によるケガで働けなくなった場合は、就業不能保険が適用されることがあります。
これは、就業不能保険が病気やケガで働けなくなった期間の所得減少を補償対象としているためで、
熊によるケガも条件を満たせば適用される可能性があるからです。
就業不能保険の3つのポイント
・ケガによる収入減を補填できる
・自営業・会社員問わず活用できる
・契約内容によって補償期間や支給額が異なるため、事前確認が必要
関連コラム
・就業不能保険の給付期間はいつまで?公的保障との違いや選び方を解説
不慮の事故と判断される条件とは?
先ほどの章の中で、熊被害による保険適用は不慮の事故に該当するかが大きなポイントになると述べましたが、
ここで改めて、不慮の事故の定義について確認しておきましょう。
そもそも、不慮の事故とは、
本人の意思に反して、外部から加えられた突発的な事故により、身体に損害(ケガや死亡)が生じた出来事のことを指します。

つまり、以下の3つの項目を満たしていれば、一般的に保険では不慮の事故と認定される可能性が高いということです。
不慮の事故と判断される3つの基準
1. 急激性
・突然発生した出来事であること。
2. 偶然性
・本人の故意なく、予測できなかった出来事であること。
3. 外来性
・身体の外部からの作用によって損害が生じたこと。
住宅・家財保険は建物に適用されない?
熊による建物への損害は、住宅・家財保険の補償対象外となることが原則です。
住宅・家財保険は基本的に、偶然かつ突発的な事故による損害を補償対象としています。
しかし、熊被害は出没が予測できることが多く、保険上は偶然性が低いと判断されるため、
建物の損壊に対しては補償されないのが一般的です。
そのため、熊による建物の損害を補償したい場合は、保険会社に相談して特約や追加補償の設定が可能か確認することが推奨されます。
3つのポイント
・熊による建物の損害は原則補償されない
・予測可能なリスクとして扱われるため、標準契約では対象外
・必要に応じて特約や追加補償の検討が必要

保険のことは、保険のプロに相談してみるのがオススメですよ。
保険でカバーできない部分はどうすればいいの?

では、保険でカバーできない部分はどうすればよいのでしょうか。
保険はあくまで万が一に備えるものであり、第一章でも触れた通り、すべてのリスクを完璧に補償できるわけではありません。

この章では、保険だけではカバーできないリスクに備え、日常で実践できる具体的な対策を見ていきましょう。
保険でカバーされる範囲と予防策を整理
熊による被害は、人的被害、家畜や農作物の被害、物的被害などがありますが、すべての被害が保険でカバーできるわけではありません。
特に、農作物や小規模な設備被害、畑の柵の損壊などは、通常の火災保険や家財保険では補償されないことは先ほどお伝えした通りです。
そこで改めて、保険で適用される範囲を見直しておくことが大切です。
保険適用範囲の3つのポイント
・人がけがをした場合は、傷害保険や生命保険の対象となる可能性がある。
・住宅や倉庫など建物に直接損壊が生じた場合は、火災保険は原則対象外。
・畑や田んぼなどの土地に対する損害も、火災保険や家財保険は原則対象外。
自治体や農業組合の補助制度を活用
熊やイノシシなどによる野生動物被害は、保険ではカバーされないことが多いため、
自治体や農業組合などの補助制度を活用することが現実的な対策になります。

以下2つのポイントを抑えておきましょう!
1. 自治体の補助制度
多くの市区町村では、農作物被害や柵・防護ネットの設置費用の一部を補助する制度があります。
補助の対象や条件は自治体によって異なりますが、主に次のようなケースが対象になることが一般的です。
・農作物の損害に対する一部補助
・防獣柵やネット、センサーライトなどの設置費用の補助
2. 農業組合(JA)などの共済制度
農業組合では、農作物や施設に対する損害共済制度を提供していることがあります。
共済制度に加入している場合、熊やイノシシによる被害が一部補償されるケースがあります。

ただし、共済金の支払い条件や金額は制度ごとに異なるため、加入前に内容を確認しておくことが大切ですよ。
万が一の被害を防ぐために事前にできる対策

これまで、熊被害に備えるための保険について解説してきましたが、
ここで気になるのは、日ごろからできる熊予防の対策はあるのかという点ではないでしょうか。

そこで最後に、比較的低コストで購入できる熊よけグッズを3つをご紹介していきます!
※補足
あくまで、熊と遭遇するリスクを減らすことを目的とした商品紹介です。
ネットショップで購入できる熊よけアイテム3選
低価格といっても、値段はピンキリです。
100円ショップで購入できるものもあれば、ホームセンターやアウトドアショップではより高性能な商品も揃っています。
ここでは、主にネットショップで購入できる、1,000円から3,000円程度の価格帯の商品を中心にご紹介します。

オススメのジャンルを、①熊よけ鈴・②熊よけホーン・③熊よけシートの3つに分けて見ていきましょう。
①熊よけ鈴
熊よけグッズといえば、まず思い浮かぶのは熊よけ鈴ではないでしょうか。
ですが、熊よけ鈴にもいろいろな種類があり、値段も幅広くて迷ってしまう方も少なくありませんよね。
そこでオススメしたいのが、熊コナーズの熊よけ鈴ベルです。
ストラップ式で持ち運びやすく、消音機能も備えているため、
登山口や休憩中、移動中などのさまざまなシーンで使いやすいのが特徴です。
3つのオススメポイント
①状況に応じて使い分けられる消音機能
磁石付きの金具で音のオン/オフを切り替えられ、行動中や休憩中などシーンに合わせて使用可能。
②取り付けやすく携帯しやすい
カラビナ式でバッグやベルトループに簡単に装着でき、登山・キャンプ・釣り・農作業など幅広い場面で携帯可能。
③さびにくく長持ちしやすい
鈴は真鉄製で塗装加工されているため、さびにくく、長期間使用することが可能。

熊よけ鈴は価格帯が幅広いため、選ぶ際には音の大きさや持ち運びやすさを重視するのがおすすめです。
②熊よけホーン
熊よけ対策として有効なホイッスルは数多くありますが、
中でも注目なものとして、Re:FUNAの電子ホイッスルが挙げられます。
ボタンひとつで3種類の音に切り替えられ、状況に応じて使い分けられるのが大きな特徴です。
3つのオススメポイント
①軽量&コンパクトで持ち運びやすい
ボタン電池4個、本体わずか90gの軽量設計なので携帯しやすい。
②ボタン1つで3段階の音が発生
口で吹く必要がなく、ボタン操作だけで3段階の大音量を発生させることが可能。
③90日間の補償付き
万が一のトラブルにも対応できる、返金・交換可能な90日補償付き。

購入後90日間の補償が付いているのも、安心できる嬉しいポイントですね。
③熊よけシート
畑や田んぼから熊を長期間遠ざけたい――
そんなときに便利なのが、熊よけシートです。
なかでもおすすめなのが、プラスリブの撃退シリーズ『撃退クマ激臭シート』。
約1年の忌避効果が期待でき、さらに取り付けも簡単なのが特徴です。
3つのオススメポイント
①長期間の忌避効果
設置後、約1年間にわたって熊を遠ざける効果が期待できる。
②簡単な取り付け
シートの穴にロープなどを通してつるすだけなので、誰でも手軽に設置可能。
③その他小動物への忌避効果
熊だけでなく、猪や鹿などの小動物にも忌避効果が期待できる。

1年間の長期間にわたって、忌避効果が期待できるのは嬉しいポイントですね!
まとめ
今回の記事のまとめです。
熊被害に備える保険は大きく分けて、人身に対する保険があります。
住宅や家財への被害は原則、住宅・家財保険の補償対象外となるため、適用範囲を事前に確認しておくことが大切です。
もちろん、熊に遭遇しないことが最も有効なリスク対策ですが、
保険だけでなく、熊よけグッズなどの物理的な備えを併せて取り入れることも重要です。
※補足
ご紹介した熊よけ商品は、熊などの接近を完全に防ぐものではありません。
ご購入の際には、必ず商品の詳細をご確認ください。
