毎年2月の終わりごろになると、少しずつ春の訪れが感じられるようになりますね。
とはいえ、まだ寒い日が続き、外に出るよりも家の中で過ごすことが多いのではないでしょうか。
そんな中で気を付けなければならないのは、火災などの自然災害です。
火災は人為的なものだけでなく、自然現象からも発生する可能性があります。
こうした災害に備えるために、日ごろから火災保険を見直しておくことが大切です。
今回の記事で分かること
- 火災保険の見直しの重要性
- 火災保険の補償内容と選び方
- 家財保険の必要性

この記事では、物的損害を補償する第二分野の保険について学んでいきましょう。
火災保険の役割とは?

そもそも、なぜ火災保険が必要なのでしょうか。
まずは、火災保険の基本的な役割について確認しておきましょう。
火災保険の基本的な概要
火災保険は、戸建てやマンション、賃貸住宅など、住宅の形態にかかわらず加入できる保険です。
その本質は、予測できない災害に備えての経済的なバックアップを提供し、生活や財産を守ることにあります。
一般的に、火災だけでなく、風災、雪災、水災(洪水など)、盗難なども補償範囲に含まれています。

なお、火災保険は包括的な範囲をカバーする保険であり、少額短期保険とは用途が異なります。
合わせて読みたいコラム
・少額短期保険にはどんな種類があるの?家財・留学などの4つの保険
火災保険の補償内容・補償範囲

先ほどお伝えしたとおり、火災保険は火災以外にも幅広い保障を提供します。
火災はもちろんのこと、盗難被害に対する補償なども含まれています。

火災保険では、何がどこまで補償されるのか確認しておきましょう。
補償範囲
火災保険の補償範囲には、以下のような項目が含まれます。
火災保険の補償範囲
・火災
・落雷
・破裂、爆発
・風災、雹災、雪災
・水濡れ
・水災
・盗難
補償内容
火災保険の補償内容で重要なポイントは、次の3つです。
- 建物のみ補償
「建物」とは、所有者が住居として使う建物を指し、補償対象には本体のほか、門・塀・物置・車庫・備え付けの冷暖房など動かせないものが含まれます。マンションでは専有部分のみが対象で、共用部分は原則含まれません。 - 家財のみ補償
「家財」とは、家具・家電・日用品・貴金属・自転車などの所有物を指し、高価な物は「明記物件」として申告が必要です。同居する家族の持ち物も補償対象に含まれます。 - 建物+家財を補償
上記1.2を含む建物と家財の両方が補償対象となります。

建物には門や塀、物置などが含まれ、家財には家具、家電製品、衣類などが補償の対象です。
保険選びに関する参照サイト
・保険の相談窓口の役割とは?おすすめの保険相談窓口8社を比較!
家財保険のメリットを知っておこう

家財保険は、火災保険の一種で、主に「建物」ではなく「家財」に焦点を当てた保険です。

この章では、家財保険の概要を見ていきましょう。
保険について相談できるサイト
・リクルートが運営する保険チャンネル
家財保険の必要性
家財保険の必要性には、主に以下の4つの理由があります。
- 資産保護
火災等による損害や喪失は大きな経済的負担となるため、家財保険には資産保護の役割があります。 - 迅速な補償
保険契約に基づいて迅速な補償を提供し、被害を受けた際に早急に復旧できるように支援します。 - 様々なリスクへの対応
火災だけでなく、雷・地震・水災・盗難など、さまざまなリスクに対応できるため、幅広い災害や事故に備えることができます。 - 精神的安心
家財火災保険を付帯することで、家庭内の財産が保護されているという心の安心感につながります。
補償範囲
繰り返しになりますが、家財保険は火災保険の一部です。
そのため、主な補償範囲は火災保険と同様ですが、特筆すべき特徴として、家財保険ではメインの補償範囲に「特約」を追加することで、補償範囲を充実させることができます。

以下は、家財保険の主な補償範囲と特約です。
補償範囲
・火災
・水災
・風災
・落雷
・雪災・ひょう災
・盗難
・破裂・爆発
・破損・汚損
・水濡れ
・落下・飛来・衝突・倒壊
特約
・日常生活賠償特約
・借家人賠償特約
・弁護士費用特約
・受託物賠償特約
・自宅外家財特約

個人事業主の方は、火災保険よりも幅広いリスクに備えられる「店舗総合保険」についても理解しておきましょう。
参照コラム
・個人事業主におすすめ!店舗総合保険の特典とは?
補償対象
家財保険の補償対象となる物についても確認しておきましょう。

主な対象と対象外の項目は、以下の通りです。
補償対象
・家具
・家電
・衣類身の回り品(バッグ、腕時計、アクセサリー等)
・食器
・日用品
・自転車と125cc以下のバイク(それぞれ建物内にある場合のみ補償)
・1組または1点が30万円を超える貴金属や、宝石、美術品(これらを明記物件といい、加入時の申告が必要となります)
対象外
・通貨、小切手、有価証券、預貯金証書、切手、印紙、乗車券、電子マネー、クレジットカード等
・自動車
・大型バイク
・証書
・データ
・プログラム
・動物、植物

家財保険の対象は、主に引っ越し時に運べる電化製品や家具、衣類、食器などの「動かすことができるもの」と覚えておきましょう。
保険について相談できるサイト
・リクルートが運営する保険チャンネル
火災保険を検討する際のポイント

火災保険を選ぶ際には、考慮すべきポイントがいくつかあります。
この章では、火災保険を選ぶ際のポイントと注意点をご紹介します。
火災保険を検討する際のポイント4つ
火災保険を検討する際のポイントには、以下4つが挙げられます。
①補償対象と範囲を決める
火災保険の対象となるもの(建物、家財、またはその両方)や必要な補償内容を検討します。
②構造級別を確認する
建物の構造を示す「構造級別」(M構造・T構造・H構造)によって、火災保険の保険料は異なります。
③保険期間を設定する
火災保険の保険期間は通常1年契約から最長5年契約まで可能で、保険期間が長いほど保険料は割安になります。
④地震保険も検討する
火災保険は地震による損害を補償しないため、地震保険を検討する場合は火災保険とセットで加入する必要があります。
火災保険を契約する際の注意点
火災保険を契約する際に留意すべきポイントは、途中で補償対象を変更や追加できないことです。
たとえば、最初は家財のみを補償対象としていても、途中で建物を追加したい場合があります。
しかし、保険期間中に補償対象を変更することは不可能であり、家財の補償を解約してから再度建物と家財の補償に加入する必要があります。
つまり、補償対象を変更する場合は、再契約が必要となります。
このため、契約時から将来的な必要性を考慮し、初めから必要な補償を含めておくことが重要です。

保険については、保険のプロに相談してみましょう。

まとめ
今回の記事のまとめです。
火災保険は、住宅や事業用の建物を火災だけでなく、災害や事故、盗難などのリスクにも備えられる保険です。
補償対象は建物・家財・または両方から選べ、建物の構造や保険期間、地震保険の加入の有無が大切なポイントです。
家財保険は主に動産(家具や家電など)を補償し、日常生活賠償特約や借家人賠償特約などを追加することで、補償内容をさらに充実させることができます。