『標準報酬月額ってどのように求めるの?』
標準報酬月額は、社会保険料を計算する際の基準となる金額です。
この金額は給与や賞与などの収入をもとに算出され、その結果を基に健康保険や年金保険の保険料が決まります。
この記事では、標準報酬月額の求め方を解説し、実務での活用方法についてもご紹介します。
この記事で分かること
- 標準報酬月額の基本的な仕組み
- 標準報酬月額の具体的な求め方
- 標準報酬月額の適用範囲と実務での活用方法

標準報酬月額の求め方などについて、一緒に学んでいきましょう!
そもそも、標準報酬月額って何のこと?

標準報酬月額は、給与や賞与などの収入をもとに算出される金額ですが、ここで注意したいのは、標準報酬月額と実際の給料は必ずしも一致しないという点です。
標準報酬月額には、基本給のほか、通勤手当や住宅手当などの各種手当も含まれるのが特徴です。

まずは、標準報酬月額の基本的な仕組みについて見ていきましょう。

標準報酬月額とは?
標準報酬月額とは、主に社会保険(健康保険や厚生年金保険)の保険料を算出するための基準となる金額です。
この金額は、従業員の給与や賞与などの収入を基に算出され、その金額に基づいて各種保険料が決まります。
具体的には、従業員の収入をもとに、あらかじめ定められた区分(報酬月額)に該当する金額が算出されます。
この金額が、健康保険料や厚生年金保険料の計算に使用されるため、従業員が支払う社会保険料の額に直接的に影響を与えます。

つまり、標準報酬月額は、健康保険や厚生年金、介護保険などの保険料を計算するときの基準になります。
参照サイト
・標準報酬月額・標準賞与額とは? | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
標準報酬月額の4つの主な特徴
標準報酬月額には、主に次の4つの特徴があります。
①社会保険料の算出基準
健康保険や厚生年金保険の保険料を算出する基準となり、給与や賞与に基づいて決まります。
②報酬月額表に基づく区分
標準報酬月額は区分表に沿って該当する範囲に分類され、段階的に決まります。
③手当の取り扱い
基本給だけでなく、通勤手当や住宅手当など一定の手当も含まれます。
④健康保険料と年金保険料で異なる適用
健康保険と厚生年金保険では、基準や適用方法が異なることがあります。
標準報酬月額が決まる基準
標準報酬月額は、主に従業員の給与や賞与などの収入額をもとに算出され、その金額が一定の区分(報酬月額)に分類されます。
そして、その区分に基づいて社会保険料の計算に用いられる標準報酬月額が決まります。

具体的な基準としては、以下の3つが挙げられます。
①報酬月額区分による分類
標準報酬月額は、あらかじめ定められた「報酬月額区分」に基づいて決まります。
これは、収入額を一定の範囲ごとに区分したもので、給与がどの区分に当たるかを見て、その区分に該当する金額が標準報酬月額となります。
例えば、給与が30万円なら、その金額が属する報酬月額区分に基づいた金額が標準報酬月額として適用されます。
②給与・手当を基に算出
標準報酬月額は、従業員の基本給に加え、各種手当(通勤手当や残業手当など)や賞与を含めた総収入額を基に計算されます。
賞与は通常、年に2回支給されますが、賞与の額も含めて標準報酬月額を決める際の基準となります。
③昇給・変動時の見直し
給与の昇給や変動があった場合、標準報酬月額も見直されます。
主に毎年4月の定期改定で変更されますが、状況に応じて随時見直されることもあります。
参照サイト
・標準報酬月額の決め方 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
標準報酬月額の求め方

標準報酬月額の算出方法は全国で共通ですが、健康保険料率や介護保険料率は都道府県ごとに異なるため、実際に支払う保険料には地域差があります。

次にこの章では、標準報酬月額の求め方について見ていきましょう。
基本的な計算方法
標準報酬月額は、社会保険料の計算基準となる金額で、以下3つの手順で算出します。
標準報酬月額の基本的な計算方法
①過去3ヶ月分の報酬を確認
標準報酬月額は、4月・5月・6月の3ヶ月分の報酬を基に算定されます(定時決定の場合)。
報酬に含まれるもの
・基本給
・諸手当(通勤手当、役職手当、住宅手当など)
・年4回以上支給される賞与(特別手当など)
・通勤定期券の支給額
※残業代や各種手当も報酬に含まれますが、年3回以下の賞与は除外されます。
➁3ヶ月分の報酬合計を計算
例:4月の報酬が30万円、5月が28万円、6月が29万円の場合
→ 報酬合計額:30万円 + 28万円 + 29万円 = 87万円
合計額を3で割り、月平均を求める
87万円 ÷ 3ヶ月 = 29万円(報酬月額)
③標準報酬月額表に当てはめる
報酬月額を、厚生労働省が定める「標準報酬月額等級表」に当てはめます。
例:報酬月額が29万円の場合、29万円以上31万円未満の欄に該当するため、標準報酬月額は30万円となります。

上記の報酬月額が29万円の場合、下記の図1に基づき、
健康保険の等級は21、厚生年金の等級は18が当てはまります。

出典:厚生労働省『標準報酬月額の上限について』より
計算時の注意点
標準報酬月額を求める際に注意すべき点には、以下の4つが挙げられます。
①対象となる報酬の範囲を確認する
対象となる報酬の範囲を確認し、基本給や諸手当、賞与などすべての給与項目を把握します。
➁報酬額の平均を取る
過去3ヶ月間の実際の支給額を平均して報酬額を算出し、休職や減給の影響も考慮します。
③標準報酬月額表に当てはめる
計算した報酬月額を標準報酬月額表に当てはめ、該当する等級を決定します。
④扶養状態や加入条件を確認する
扶養状況や健康保険・年金の加入条件を確認し、特に年金受給者やパート労働者など異なる条件がある場合は注意が必要です。

特に①の対象となる報酬の範囲は、条件によって異なるため注意が必要です。
次の章では、その対象範囲について確認していきます。
参照サイト
・令和6年度保険料額表(令和6年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会
・協会けんぽの介護保険料率について | 協会けんぽ | 全国健康保険協会
標準報酬月額の適用範囲と実務での使い方

お伝えした通り、健康保険料と厚生年金保険料では、標準報酬月額が異なる場合があります。
これは、それぞれの保険料が異なる基準で計算されるためです。

最後に、標準報酬月額の適用範囲と実務での活用方法について見ていきましょう。
社会保険について相談できるサイト
・ライフプラン設計に特化したFP無料相談
報酬に含まれる項目と含まれない項目の把握
標準報酬月額の算出時には、会社員の場合、報酬に含まれる項目について把握しておく必要があります。

報酬に含まれる項目と含まれない項目、それぞれについて見ていきましょう。
報酬に含まれる項目
標準報酬月額の計算に含まれる報酬は、従業員に支払われる給与や手当、賞与などです。
これらは労働に対する対価として現金や現物で支給されます。
また、年に4回以上支給される賞与も含まれます。
賞与も給与と同じように、社会保険料に影響を与えるためです。
標準報酬月額に含まれる主な項目は、以下の通りです。
・基本給(月給、週給、日給など)
・各種手当(残業手当、通勤手当、住宅手当、家族手当、役職手当など)
・賞与(年4回以上支給されるもの)
・通勤定期券・回数券
・食事代・食券
・社宅・独身寮
・被服(勤務服でないもの)
報酬に含まれない項目
標準報酬月額の計算においては、報酬に含まれない項目についても確認しておくことも大切です。
これらの項目は、給与の支給に関連しているものの、課税対象外であったり、特定の条件下で支給されるため、標準報酬月額の計算には含まれません。

具体的には、以下のような項目は報酬に含まれません。
①事業主が恩恵的に支給するもの
病気見舞金、災害見舞金、結婚祝金など
➁公的保険給付として受けるもの
傷病手当金、災害補償給付、年金など
③臨時的、一時的に受けるもの
大入袋、解雇予告手当、退職金など
④実費弁償的なもの
出張旅費、交際費など
⑤年3回まで支給されるもの
賞与など
標準報酬月額の適用対象者
標準報酬月額の適用対象者は、主に以下のような従業員です。
①厚生年金保険と健康保険に加入している従業員
企業で働く被保険者(正社員や一部の契約社員、パートタイム労働者)が対象です。
➁一定の条件を満たす被扶養者
被扶養者となる配偶者や家族も、一定の条件のもとで保険料が計算される場合があります。
③一部のパートタイム労働者
週の勤務時間や収入が一定基準を超えると、社会保険(厚生年金、健康保険)に加入し、標準報酬月額が適用されます。

標準報酬月額は従業員を対象としており、フリーランスや自営業者は別途、社会保険料の計算が適用されます。
関連コラム
・フリーランス向け社会保険解説|国保・年金加入への切り替えポイント
まとめ
今回の記事のまとめです。
標準報酬月額は、従業員の給与や賞与をもとに算出され、健康保険や厚生年金保険料の計算に使用される基準となる金額です。
この金額は、報酬月額表に基づいて給与額が分類され、基本給や通勤手当、住宅手当などの一部の手当も含まれます。
ただし、健康保険料と厚生年金保険料では、それぞれ異なる基準が適用されることがあります。