日本で生活している在留外国人の方の中には、
「国民健康保険はなぜこんなに高いの?」
「毎月いくら払うのが普通なの?」
と、疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
国民健康保険の保険料は、前年の所得や世帯構成、自治体ごとの制度によって決まります。
そのため、来日直後や収入が少ない場合でも、保険料を高いと感じやすい仕組みになっています。
この記事では、FPの視点から、
在留外国人向けに、国民健康保険が高くなる仕組みや、ケース別の目安金額をわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- 在留外国人が国民健康保険に加入する条件
- 国民健康保険が高いと感じやすい理由と仕組み
- 在留外国人の国民健康保険料の目安(ケース別)

来日1年目や留学生、就労ビザなど、立場ごとに異なる国民健康保険料の負担目安を見ていきましょう。
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・在留外国人の年金加入は必要?留学生・アルバイトが知っておくべき加入ルール
在留外国人は国民健康保険に加入する必要がある?

日本で暮らし始めると、
「自分は国民健康保険に入らなければならないの?」と迷う方も多いと思います。
その際に知っておきたいのが、在留資格や働き方によって、保険の扱いが異なるという点です。

まずは、国民健康保険の基本的な仕組みを確認しておきましょう。
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国民健康保険の加入が必要な在留外国人の条件
そもそも、国民健康保険には、どういった人が加入しなければならないのでしょうか。
国民健康保険は、会社の健康保険(社会保険)に加入していない人を対象とした、公的な医療保険制度です。
そのため、日本に中長期で在留し、住民登録をしている在留外国人も、条件を満たす場合は加入が必要になります。
具体的には、在留期間が3か月を超え、会社の健康保険に加入していない場合、国民健康保険への加入が原則です。
留学生やフリーランス、アルバイトのみで働いている方、求職中の方などがこれに該当します。
一方で、就労ビザで会社に勤め、社会保険に加入している場合は、国民健康保険に入る必要はありません。
また、家族の社会保険の被扶養者になっている場合も、国民健康保険の対象外となります。

国民健康保険に加入する際のポイントは、大きく分けて次の2つです。
国民健康保険加入の2つのポイント
①対象者は会社の健康保険に加入していない人
②在留外国人も条件を満たせば加入が必要
以下の条件をすべて満たす場合、国民健康保険への加入が必要。
・在留期間が3か月を超える
・住民登録をしている
・社会保険に加入していない
留学生・就労ビザ・家族滞在の加入ルールの違い
在留外国人の国民健康保険の加入ルールは、在留資格そのものよりも、働き方や加入している保険によって決まります。

ここでは、代表的な3つのケースについて見ていきましょう。
1.留学生の場合
留学生は、原則として国民健康保険に加入する必要があります。
アルバイトをしていても、会社の社会保険に加入していない限り、国民健康保険の対象です。
医療費の自己負担は原則3割となるため、病気やケガに備える意味でも、加入しておくことが重要です。
2.就労ビザの場合
就労ビザで企業に勤めている場合、多くは会社の健康保険(社会保険)に加入します。
この場合、国民健康保険に加入する必要はありません。
社会保険では、保険料を会社と本人で折半するため、
国民健康保険と比べて、負担が軽く感じられることもあります。
3.家族滞在の場合
家族滞在ビザの場合、扶養に入れるかどうかで扱いが変わります。
パターンⒶ
配偶者や親が社会保険に加入しており、その被扶養者になれる場合
→ 国民健康保険に加入する必要はありません。
パターンⒷ
被扶養者にならない(収入があるなど)場合
→ 国民健康保険への加入が必要です。

つまり、在留外国人の健康保険は、在留資格よりも働き方や加入している保険で決まるということですよ!
会社の健康保険に加入できない理由とは?
会社の健康保険(社会保険)には、加入できない場合があります。
その主な理由は、勤務形態や雇用条件によって加入条件を満たさないことです。

会社の社会保険に加入できない理由には、以下2つなどが挙げられますよ!
1. 勤務時間や雇用期間が短い
社会保険に加入するには、原則として1週間の勤務時間が20時間以上、雇用期間が2か月以上である必要があります。
パートやアルバイトで勤務時間が少ない場合は、この条件を満たせず、加入できません。
2. 企業の規模や契約形態
社会保険の加入は、従業員数や雇用契約の条件によって義務付けられています。
小規模企業や短期契約の場合は、加入できないことがあります。
国民健康保険はなぜ高いと感じやすいの?
国民健康保険の保険料は、前年の所得や世帯の状況をもとに計算されます。
そのため、来日1年目で前年の収入が少なくても、制度上の計算方法によっては、思ったより高く感じることがあります。
また、国民健康保険は世帯単位で保険料が決まる仕組みです。
家族全員の所得を合算して計算するため、世帯全体の収入が少なくても、一人あたりの負担が重く感じられることがあります。

保険料がどのように計算されるのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
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国民健康保険の保険料はどう決まるの?内訳と計算の仕組み

国民健康保険の保険料は、単純に一律で決まっているわけではありません。
前年の収入や家族構成、住んでいる自治体など、いくつかの要素が関係しています。

この章では、国民健康保険の保険料がどのように決まるのか、その内訳を分かりやすく解説していきます。
国民健康保険の内訳とは?医療分・支援金分・介護分を解説
国民健康保険(国保)の保険料は、「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分」という、
3つの内訳を合計して決まります。
それぞれ目的が異なり、年齢によって負担する内訳も変わります。
医療分(医療給付費分)
医療分は、病院での診察や治療など、日常的な医療費に充てられる保険料です。
国保に加入しているすべての人が対象となり、保険料の中でも最も大きな割合を占めます。
前年の所得や世帯構成をもとに、所得割・均等割・平等割を組み合わせて計算されるのが一般的です。
医療分の3つのポイント
・国保加入者全員が対象
・保険料の中で最も割合が大きい
・所得割・均等割・平等割で構成される
後期高齢者支援金分
後期高齢者支援金分は、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度を支えるための保険料です。
これも国保加入者全員が負担する内訳で、現役世代が高齢者医療を支える仕組みとなっています。
医療分と同様に、所得や世帯状況に応じて計算され、国保保険料の一部として組み込まれています。
後期高齢者支援金分の3つのポイント
・国保加入者全員が負担
・高齢者医療を社会全体で支える仕組み
・医療分と同様に3つの要素で計算される
介護分(介護納付金分)
介護分は、介護保険制度の財源となる保険料で、40歳から64歳までの国保加入者のみが対象です。
65歳以上になると、国保とは別に介護保険料を納めるため、国保保険料の中に介護分は含まれません。
そのため、40代・50代の世代では、この介護分が上乗せされることで、国保保険料が高く感じられるケースがあります。
介護分の2つのポイント
・40歳〜64歳の国保加入者のみ対象
・65歳以上は別途、介護保険料を納付

40代・50代で国保が高く感じやすいのは、こうした制度上の理由があるためです。
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国保保険料を構成する3つの要素|所得割・均等割・平等割とは?
国民健康保険(国保)の保険料は、「所得割」「均等割」「平等割」の3つを組み合わせて計算されます。
これらは前年の所得や世帯構成をもとに、市区町村ごとに定められています。

医療分・支援金分・介護分は、以下3つの要素を組み合わせて求められます。
所得割
所得割は、前年の所得に応じて決まる保険料です。
給与や事業収入などから計算された所得額に、自治体ごとの保険料率を掛けて算出されます。
所得割の3つのポイント
・所得が高いほど保険料も高くなる
・国保保険料の中で最も割合が大きい
・前年所得が基準のため、退職翌年に高くなりやすい
均等割
均等割は、国保に加入している人数分だけかかる定額の保険料です。
所得の多い少ないに関係なく、加入者1人につき一定額が発生します。
均等割の3つのポイント
・世帯内の加入者数に応じて増える
・子どもや無収入の家族にもかかる
・所得が低い世帯は軽減措置の対象になる場合がある
平等割
平等割は、1世帯ごとにかかる定額の保険料です。
世帯人数が1人でも複数人でも、同じ金額が課されます。
平等割の3つのポイント
・世帯単位で一律にかかる
・単身世帯でも発生する
・均等割と同様、軽減制度の対象になることがある
参照記事
・厚生労働省【国民健康保険料・保険税のしくみ】
自治体ごとに保険料が違う理由
国民健康保険の保険料は全国一律ではなく、市区町村ごとに異なります。
これは、国の制度でありながら、実際の運営を担っているのが自治体であるためです。
保険料に差が生じる主な理由の一つが、加入者の年齢構成や所得水準の違いです。
高齢者が多く、医療機関の利用が多い地域では医療費が増えやすく、その分、国保財政を支えるための保険料も高くなる傾向があります。
一方で、現役世代が多く医療費が比較的抑えられている自治体では、保険料も低く抑えられるケースがあります。
また、地域ごとの医療費水準も影響します。
医療機関の数や利用頻度、医療提供体制の違いによって、一人当たりの医療費には差が生じるため、
医療費が高い地域ほど、その負担が保険料に反映されやすくなります。

以下のリンクから、お住まいの自治体の国民健康保険料を確認できます。
参照記事
・厚生労働省『(1)都道府県別保険料指数等』
在留外国人の国民健康保険料はいくら?【目安を解説】

ここまで、国民健康保険の保険料の仕組みと内訳について確認してきました。
そのうえで、来日1年目・留学生・就労ビザといった立場によって、保険料の目安は大きく異なります。

最後に、この章では国民健康保険料のパターン別の具体的な目安を確認していきます。
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在留外国人の国民健康保険料の目安【来日1年目・留学生・就労ビザ】
それでは、国民健康保険の保険料の目安を見ていきます。
在留外国人のケースとして、
来日1年目・留学生・就労ビザの3つのパターンに分けて説明します。

※具体的な保険料の算出には、第2章で解説した所得割・均等割・平等割を用いますが、ここでは計算式は省略しています。あくまで前年所得に対する保険料の目安としてご活用ください。
1.来日1年目(前年所得なし)の保険料目安
来日1年目の留学生は、日本での前年所得が存在しないため、
国民健康保険料は最も低くなるケースのひとつです。
アルバイト収入があっても、保険料計算に使われるのは「前年の日本所得」のため、
来日直後は収入額に関係なく軽減措置の対象になりやすいのが特徴です。
前提条件
- 在留資格:留学
- アルバイト収入:月5〜10万円程度
- 前年の日本国内所得:なし
国民健康保険料の目安
- 月額:1,000〜3,000円
- 年額:1〜3万円台
✅チェックポイント
・前年の日本所得がないため、所得割は0円となり、均等割・平等割に対して7割軽減が適用されるケースが多い。
2.留学生の場合の国民健康保険料の目安
就労ビザで来日し、年の途中から日本で働き始めた場合でも、
国民健康保険料は来日初年度は低く抑えられるという点は留学生と同じです。
たとえ年収が高くなる見込みでも、前年の日本所得がなければ、
国保料は均等割中心で計算されます。
前提条件
- 在留資格:技術・人文知識・国際業務など
- 例:1月来日、年収見込み300万円
- 前年:日本所得なし
国保料目安
- 月額:2,000〜4,000円
- 年額:2〜5万円前後
✅チェックポイント
・年収が高くても、来日1年目は安い
3.就労ビザで働く在留外国人の保険料目安
家族滞在ビザで在留する配偶者や子どもは、
会社員の健康保険のような扶養制度が国保にはないため、
1人ずつ国民健康保険に加入する必要があります。
ただし、所得がない場合は軽減が適用され、保険料は低額に抑えられます。
前提条件
- 在留資格:家族滞在ビザ
- 本人の日本での所得:なし
国保料目安
- 1人あたり 月1,000〜2,000円程度
✅チェックポイント
・国保には扶養の制度なし(会社の健康保険とは異なる)
国民健康保険が高いと感じたときの対処法
国民健康保険が高いと感じた場合は、まず前年の所得が正しく申告されているかを確認することが重要です。
所得が少ない、または無収入であっても申告をしていないと、軽減措置が適用されず、保険料が高く計算されてしまうことがあります。
次に、保険料の軽減・減免制度が利用できないかを確認しましょう。
前年所得が一定以下であれば均等割・平等割の軽減が適用され、失業や収入減など特別な事情がある場合は、申請によりさらに保険料が下がるケースもあります。
それでも負担が重い場合は、分割納付や納付猶予の相談、あるいは社会保険や扶養への切り替えが可能かを検討することが現実的な対処法となります。

放置や未納は不利になるため、早めに自治体窓口や専門家に相談することも大切です!
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まとめ
今回の記事のまとめです。
国民健康保険が高いと感じられる理由は、保険料が前年の日本国内所得をもとに計算され、扶養制度がない仕組みにあるためです。
一方で、来日1年目の在留外国人は前年所得がないため、国民健康保険料の目安は月額1,000〜4,000円程度に抑えられるケースが一般的です。
