『こどもNISAと学資保険はどっちがいいの?』
子どもの教育資金を考えている方の中には、こどもNISAと学資保険のどちらを選べばよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
こどもNISAは、投資による資産形成を目指せる一方、学資保険は計画的に教育資金を積み立てながら、契約内容に応じた保障を備えられる点が特徴です。
ただし、それぞれにメリットと注意点があるため、どちらが適しているかは家庭の状況や資金計画によって異なります。
本記事では、こどもNISAと学資保険の違いや、それぞれのメリット・デメリットを比較し、家庭に合った教育資金の準備方法を解説します。
この記事でわかる3つのこと
✅こどもNISAと学資保険の仕組みやメリット・デメリットの違い
✅こどもNISAと学資保険、それぞれに向いている家庭の特徴
✅教育資金の必要額を踏まえた、自分の家庭に合った準備方法

それぞれの運用方法の違いや返戻率などを比較し、教育資金の準備方法を考えていきましょう。
なお、NISAの始め方やおすすめの証券会社の特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事👇もあわせてご覧ください。
こどもNISAと学資保険の違いとは?

こどもNISAと学資保険は、どちらも子どもの教育資金を準備する方法ですが、お金を増やす仕組みや保障の有無に違いがあります。
こどもNISAは、投資信託などを活用して資産を増やすことを目指す制度です。運用益が非課税になるメリットがある一方、運用状況によっては元本割れするリスクがあります。
一方、学資保険は、毎月など決められた保険料を払い込み、契約に応じて満期保険金や祝い金を受け取る保険商品です。商品によっては、契約者である親に万一のことがあった場合、以後の保険料の払い込みが免除される仕組みもあります。

まずはこの章で、こどもNISAと学資保険の基本的な違いを整理していきましょう。
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そもそも、こどもNISAとは?
こどもNISAは、2027年1月から開始される予定の、子ども向けの少額投資非課税制度です。対象は0歳から17歳までで、子ども名義の口座を通じて投資信託などを購入し、運用によって得られた利益を非課税にできます。
例えば、子どもが小さいうちから毎月一定額を積み立て、大学進学時に必要となる入学金や授業料などの教育資金を準備する方法が考えられます。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、こどもNISAでは対象となる運用益が非課税になります。そのため、長期的な資産形成を目指すうえで活用できる制度です。
ただし、投資である以上、必ずお金が増えるわけではありません。運用状況によっては、積み立てた金額を下回る可能性もあります。
こどもNISAの3つの特徴
✅0歳から17歳までを対象とした制度
✅年間投資枠は60万円
✅非課税保有限度額600万円
こどもNISAと学資保険の仕組みの違い
こどもNISAと学資保険は、どちらも子どもの教育資金を準備する方法ですが、お金を積み立てる仕組みや受け取るまでの流れが異なります。
こどもNISAは、投資信託などを購入し、運用によって資産を増やすことを目指す仕組みです。運用で得た利益は非課税になりますが、投資先の価格が下がれば、資産が減る可能性もあります。
一方、学資保険は、毎月など決められた保険料を払い込み、契約で定められた時期に満期保険金や祝い金を受け取る仕組みです。契約内容によっては、親に万一のことがあった場合に、その後の保険料の払い込みが免除される保障もあります。
それぞれのお金の流れを整理すると、次のとおりです。
こどもNISAの仕組み
- 子ども名義の証券口座を開設
- 投資信託などを購入
- 運用を続けての資産形成
学資保険の仕組み
- 子どもの進学時期などに合わせて保険に加入
- 決められた保険料の払い込み
- 契約内容に応じて祝い金や満期保険金の受け取り
このように、こどもNISAは投資による資産形成を目指す方法であり、学資保険は契約に基づいて教育資金を準備する方法です。
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学資保険はいつ入るべき?妊娠中・出生直後の加入時期と契約者の年齢制限を解説
こどもNISAで教育資金を準備するメリットと注意点

こどもNISAのメリットは、投資で得た利益が非課税になることです。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、こどもNISAでは対象となる運用益に税金がかかりません。
一方で、投資である以上、必ず資産が増えるとは限らず、運用状況によっては元本割れする可能性もあります。
そのため、こどもNISAを利用する際は、非課税のメリットだけでなく、投資のリスクも理解しておくことが大切です。

この章では、こどもNISAを活用して教育資金を準備するメリットと、利用する際に知っておきたい注意点について詳しく解説します。
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メリット①計画的に教育資金を積み立てやすい
こどもNISAのメリットは、子どもが小さいうちから教育資金の準備を始め、進学時期に向けて長期的な積立計画を立てられることです。
教育費は、毎年一定額が必要になるわけではありません。小学校から高校までの学費に加え、大学進学時には入学金や授業料、一人暮らしを始める場合には住居費や生活費など、短期間に大きな支出が発生する可能性があります。
例えば、子どもが0歳のときから毎月1万円を18年間積み立てた場合、積立元本は216万円です。毎月の積立額が1万円であれば、年間の負担は12万円となり、一度にまとまった資金を用意するよりも、家計の中に組み込みやすくなります。もちろん、これは運用益を含まない金額であり、投資によって資産が増えるかどうかは運用状況によって異なります。
また、積立を始める時期によって、毎月必要となる金額も変わります。例えば、大学入学までに元本300万円を準備する場合、18年間かけて積み立てるなら月々約1万4,000円、残り6年間で準備するなら月々約4万2,000円が必要です。

いずれも運用益や手数料などを考慮しない単純計算ですが、準備期間を長く確保するほど、毎月の積立負担を抑えやすいことがわかります。
メリット➁運用益が非課税になり長期的な資産形成を目指せる
こどもNISAのもう一つのメリットは、投資によって得られた利益に税金がかからないことです。
通常、課税口座で株式や投資信託などを運用し、売却益や配当・分配金を得た場合、原則として約20.315%の税金がかかります。一方、こどもNISAの非課税投資枠で得た利益には、この税金がかかりません。そのため、運用によって利益が生じた場合、その利益を目減りさせずに教育資金へ回せます。
例えば、投資信託を購入し、将来売却した際に10万円の利益が出たとします。課税口座では約2万315円が税金として差し引かれ、手元に残る利益は約7万9,685円です。これに対して、こどもNISAでは、非課税の対象となる利益10万円をそのまま受け取れます。
教育資金の準備では、毎月の積立額だけでなく、積み立てた資金をどれだけ効率的に活用できるかも検討する必要があります。こどもNISAなら、非課税の仕組みを利用して、運用によって得られた利益を将来の入学金や授業料などに充てることができます。

なお、日本に住んでいる外国籍の方でも、一定の条件を満たせばNISAを利用できます。
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外国人の長期滞在者でもNISAはできる? 在住外国人向けNISA利用条件ガイド
デメリット①運用状況によっては元本割れするリスクがある
こどもNISAのデメリットは、投資した金額を下回り、予定していた教育資金を十分に確保できない可能性があることです。
こどもNISAでは、対象となる投資信託を購入して資産の増加を目指します。しかし、投資信託の価格は、組み入れられている株式や債券の値動き、為替相場などの影響を受けます。そのため、積み立てを続けていても、必ず資産が増えるとは限りません。
例えば、18年間で元本300万円を積み立てたとしても、大学進学を控えた時期に市場が大きく下落すれば、保有資産の評価額が300万円を下回る可能性があります。大学の入学金や授業料は、相場の回復を待ってから支払うというわけにはいかないため、必要な時期に資産が減っていると、予定していた教育費をほかの貯蓄や収入から補わなければならないことも考えられます。
こうしたリスクに備えるには、教育資金のすべてをこどもNISAに頼らない方法が考えられます。例えば、大学入学時に必ず必要となる費用は預貯金で確保し、こどもNISAでは長期的な運用を目指すなど、資金の使い道や必要になる時期に応じて分けて準備する方法です。
また、大学進学など資金を使う時期が近づいたら、必要な金額を少しずつ値動きの影響を受けにくい預貯金などに移すことも選択肢になります。
ただし、投資信託を売却するタイミングによっては損失が確定する可能性もあるため、直前になって慌てて対応するのではなく、あらかじめ資金を使う時期を想定しておくことがポイントです。

長期的な資産形成を考える際は、ポートフォリオ戦略も大切です。ポートフォリオ戦略については、以下の記事👇で詳しく解説しています。
関連記事
ポートフォリオ戦略とは?長期資産運用における効果的な組み方を解説
教育資金はいくら必要?幼稚園から大学までの費用を解説

子どもの教育資金を準備するにあたって、まず把握しておきたいのが、幼稚園から大学卒業までにかかる費用です。
教育費は、進学先が公立か私立かによって大きく異なります。また、授業料や入学金だけでなく、給食費、教材費、塾代、習い事の費用などもかかるため、学校に納める費用だけで計算すると、実際の支出を少なく見積もってしまう可能性があります。

この章では、資産運用を考えるうえで知っておきたい、幼稚園から大学卒業までにかかる教育費の目安を整理していきましょう。
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幼稚園から高校卒業までにかかる教育費はいくら?
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校卒業までの15年間にかかる学習費は、すべて公立に通った場合で約614万円、すべて私立に通った場合で約1,969万円が目安です。

まずは、表1で学校の種類ごとに年間の学習費を比較してみましょう。
| 学校の種類 | 公立(年間) | 私立(年間) |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 約18.5万円 | 約34.7万円 |
| 小学校 | 約36.7万円 | 約174.2万円 |
| 中学校 | 約54.2万円 | 約156.0万円 |
| 高校(全日制) | 約59.7万円 | 約117.9万円 |
特に注目したいのが、小学校の費用です。私立小学校の年間学習費は約174万円で、公立小学校の約4.8倍に上ります。私立中学校も公立の約2.9倍となっており、小学校や中学校から私立への進学を考えている家庭では、早い段階から資金計画を立てておく必要があります。
一方、教育費は必ずしも幼稚園から高校まで同じ進学区分でそろえるとは限りません。例えば、小学校と中学校は公立、高校は私立という選択も考えられます。どの段階で私立への進学を検討するかによって、必要な教育資金は大きく変わります。
※この調査における学習費総額には、授業料や入学金などの学校教育費に加え、給食費や塾・習い事などの学校外活動費も含まれています。そのため、授業料が比較的安い公立学校に通う場合でも、塾や習い事の利用状況によって教育費は変わります。
参照:
文部科学省『結果の概要-令和5年度子供の学習費調査』
大学進学にかかる費用はいくら?国公立・私立別比較
大学進学にかかる費用は、国公立か私立かによって異なります。
また、授業料や入学金だけでなく、施設設備費や教材費、留学日なども必要になるため、学費以外の支出も考慮しておく必要があります。

まずは、大学の学費と学生生活費の目安を確認してみましょう。
国公立大学と私立大学の学費の違い
国立大学の授業料は、標準額が年間53万5,800円、入学料が28万2,000円です。標準額を適用した場合、入学初年度に必要な授業料と入学料の合計は81万7,800円となります。なお、大学によっては標準額と異なる授業料を設定している場合があります。
一方、文部科学省の「令和7年度私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学の初年度納付金は平均約150万8,000円です。授業料に加え、入学料や施設設備費などが含まれています。
このように、初年度の学費だけを比較しても、国立大学の標準額と私立大学の平均額には約69万円の差があります。ただし、私立大学は学部によって学費が大きく異なり、特に医歯系などでは初年度の納付金が高額になる傾向があります。
参照:
e-Gov法令検索|国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
文部科学省『初年度学生納付金等の調査結果概要』
大学生活では学費以外の費用もかかる
大学進学に向けて教育資金を準備する際は、授業料などの学費だけでなく、大学生活に必要な費用も見込んでおきましょう。
日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査」によると、大学学部の昼間部に通う学生の年間学生生活費は、自宅通学の場合、国公立・私立を合わせた平均で約164万円、アパートなどで暮らす場合は約212万円でした。学生生活費には学費と生活費が含まれており、自宅外通学では住居費や食費などの負担が増えることがわかります。
例えば、大学進学を機に一人暮らしを始める場合、家賃や食費、光熱費に加え、引っ越し費用や家具・家電の購入費なども必要になります。こうした費用は進学先の地域や住まいによって異なるため、大学の学費とは分けて見積もると、準備すべき金額を把握しやすくなります。

なお、将来的に子どもの海外留学も視野に入れている場合は、留学費用も考慮しておく必要があります。海外留学にかかる費用については、以下の記事👇も参考にしてみてください。
関連記事
海外留学費用ガイド|エージェント比較と国・目的別相場【社会人向け】
こどもNISAと学資保険はどっちがいい?各家庭に合った選び方とは

こどもNISAと学資保険のどちらを選ぶべきかは、単純に資産が増える可能性や受取金額だけでは判断できません。
子どもの進路をどこまで想定しているか、家計にどの程度の余裕があるか、親に万一のことがあった場合にどう備えたいかによって、適した方法は変わります。
例えば、大学進学まで時間があり、将来の進路に幅を持たせたい家庭と、決まった時期に必要となる教育資金を優先して確保したい家庭では、資金準備の考え方が異なります。

ここでは、こどもNISAと学資保険の選び方を考えていきましょう。
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選び方①教育資金を準備できる期間から考える
最初に確認したいのは、教育資金が必要になるまで、どのくらいの期間があるかという点です。
子どもが生まれたばかりであれば、大学進学まで15年以上の期間があります。一方、すでに中学生や高校生の子どもがいる家庭では、入学金や授業料を支払う時期が近づいています。
この違いは、資金準備の方法を考えるうえで重要な判断材料になります。
長い準備期間を確保できる家庭では、こどもNISAを利用して資産形成を目指す方法が選択肢になります。ただし、運用期間が長くても、教育費が必要になる時点で資産が値下がりしている可能性はあります。
反対に、数年以内に使う予定の資金については、投資による値動きの影響を受けにくい預貯金などで確保することも検討したいところです。学資保険を選ぶ場合も、加入時期や保険料の払込期間、学資金の受取時期が家庭の予定に合っているかを確認しましょう。
選び方②万一のときの保障内容から考える
教育資金を準備する際は、予定どおり積み立てられる場合だけでなく、親に万一のことがあった場合も想定しておく必要があります。
親が亡くなったり、病気などで働くことが難しくなったりすると、家計の収入が減り、当初予定していた教育資金の準備を続けられなくなる可能性があるためです。
この点で、こどもNISAと学資保険には違いがあります。
学資保険には、契約者である親などが死亡した場合に、以後の保険料の払い込みが免除される商品があります。所定の条件を満たせば、その後の保険料を支払わなくても、契約に基づいて学資金や満期保険金を受け取れるため、万一の際にも子どもの教育資金を確保しやすくなります。
一方、こどもNISAには、親に万一のことがあった場合に積立てを保障する仕組みはありません。積立てを続けられなくなれば、当初想定していた資産形成の計画を見直す必要があります。また、運用中の資産額は相場によって変動するため、必要な教育資金が必ず確保できるとは限りません。
ただし、学資保険の保障内容は商品によって異なり、病気や就業不能など、死亡以外の事由が保険料払込免除の対象になるとは限りません。加入を検討する際は、どのような場合に保障が適用されるのかを確認しましょう。

すでに生命保険に加入している家庭では、死亡保障などで教育資金をどこまでカバーできるかも判断材料になります。
関連記事
20代から生命保険に加入すべき理由は?保険料負担・加入率の深掘り解説
選び方③将来の進路変更に対応できるかで考える
子どもの教育資金を準備するときは、大学進学を想定していても、将来の進路が必ずしも当初の予定どおりになるとは限りません。専門学校への進学や海外留学、自宅外からの通学など、成長するにつれて希望する進路が変わることも考えられます。
そのため、準備した資金を必要なタイミングで活用できるかという視点も、こどもNISAと学資保険を選ぶ際の判断材料になります。
学資保険は、契約時に定めた時期や条件に基づいて学資金などを受け取る仕組みです。大学入学時や在学中など、あらかじめ想定した時期に合わせて資金を準備しやすい一方、契約内容によっては、進路変更によって資金が必要になる時期と受取時期が合わなくなる場合があります。また、途中解約すると、解約返戻金が払い込んだ保険料の総額を下回る可能性もあります。
こどもNISAは、対象となる金融商品を運用しながら教育資金の準備を目指す方法です。ただし、運用資産をいつでも自由に引き出せるわけではなく、制度上の払出し条件を踏まえる必要があります。さらに、運用状況によって資産額が変動するため、必要な時期に希望する金額を確保できるとは限りません。
こうした違いを踏まえ、将来の進路がまだ定まっていない家庭では、教育資金のすべてを一つの方法に集中させるのではなく、使う時期が決まっている費用と、進路変更などに備える費用を分けて準備する方法も考えられます。
例えば、入学金や初年度の授業料など、支払時期が明確な費用は預貯金などで確保し、将来の留学費用や追加の教育費については、家計の余裕に応じて資産運用も活用する方法です。

進路変更への対応力を考えるときは、資金の受取時期だけでなく、必要なときに使える資金をどれだけ確保しておくかも意識して、家庭に合った準備方法を選びましょう。
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まとめ|こどもNISAで教育資金を準備する前に知っておきたいこと
こどもNISAは運用による資産形成を目指す方法であり、学資保険は教育資金の準備と万一の保障を両立できる商品です。
それぞれに特徴があるため、一概にどちらが優れているとはいえません。
教育資金が必要になる時期や家計の状況、保障の必要性を踏まえ、預貯金も含めて家庭に合った準備方法を選びましょう。


