「人生100年時代」とも言われる現代において、キャリアやライフプランを見直すことはますます重要になっています。
そんな中、教育訓練給付制度は、仕事を続けながら学び直すための支援を提供してくれる公的制度です。
この制度を活用することで、新たなスキルや資格が身につき、キャリアアップや転職、さらにはライフプランの見直しにも繋がります。
今回の記事では、教育訓練給付制度を利用して学び直しを行い、将来のライフプランを支えるための具体的な方法について解説していきます。
この記事で分かること
- 教育訓練給付制度の概要
- 制度を活用した学び直しのメリット
- ライフプランに活かすための具体的な活用方法

教育訓練給付制度を、どのように活用できるのか一緒に見ていきましょう。
教育訓練給付制度とは?基本を理解しよう

そもそも、教育訓練給付制度とはどのような制度かご存じでしょうか?
この制度は、働きながら新たなスキルや知識を身につけたいと考える方に対して、国が費用の一部を支援する仕組みです。

まずは、教育訓練給付制度の基本的な特徴を見ていきましょう。

教育訓練給付制度の概要
教育訓練給付制度は、厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講した際に、その受講費用の一部が支給され、スキルや資格の習得を支援する制度です。

そして、この制度では、以下3つのタイプの教育訓練が設けられています。
①専門実践教育訓練
主に長期的なキャリア形成に役立つ訓練制度です。
受講費用の50%(年間上限40万円)が訓練受講中に6か月ごとに支給され、さらに資格取得後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合、追加で受講費用の20%(年間上限16万円)が支給されます。
また、令和6年10月以降、一定条件を満たすと、賃金が受講開始前と比べて5%以上上昇した場合に受講費用の10%(年間上限8万円)が追加で支給されます。
②特定一般教育訓練
再就職や早期キャリア形成に役立つ訓練制度です。
受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給され、資格取得後に1年以内に雇用された場合、追加で受講費用の10%(上限5万円)が支給されます。
③一般教育訓練
雇用の安定や就職の促進を目的とする訓練制度です。
受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。

上記3つの制度は、受講修了後、一定の条件を満たせば受講費用の一部が雇用保険から支給されます。
教育訓練給付制度の対象者
教育訓練給付制度は、働きながら学び直しをしたい人々や、再就職を目指す失業中の人々に対して支援を行います。
具体的には、以下3つの条件を満たす方が対象となります。
①雇用保険に加入している人
現在、雇用保険に加入している人が対象です。
具体的には、会社員やパート、アルバイトなど、雇用保険の被保険者であることが求められます。
②過去に雇用保険に加入していた人
一定の期間、雇用保険に加入していた人も対象になります。
たとえば、過去に雇用保険に加入していたが、現在は退職している場合などです。
③失業中の人
失業中で再就職を目指している人も対象です。
特に、初めて教育訓練を受ける失業者には、特別な支援がある場合もあります。

教育訓練給付金は雇用保険の加入者が対象で、公務員や自営業者は受給できません。
参照サイト
・教育訓練給付制度|厚生労働省
教育訓練給付制度を利用して学び直しをするメリット

教育訓練給付制度を利用することで、経済的な負担を軽減できるだけでなく、さまざまなメリットがあります。

この章では、教育訓練給付制度を活用するメリットについて詳しく見ていきましょう。
制度を活用する5つのメリット
教育訓練給付制度を利用して学び直しを行うことには、以下5つのメリットがあります。
1. スキルアップ・キャリアチェンジの支援
新しい分野や職種に挑戦するための学び直しを支援してくれるため、キャリアアップや転職を目指す人にとっては大きなメリットです。
例えば、ITや介護、デザインなど、需要が高い分野のスキルを身につけることができます。
2. 職業能力の向上
教育訓練給付制度を利用することで、現状の職務能力を向上させることができ、より高度な職務に就くための準備が整います。
これにより、昇進や給与の向上が期待できることにつながります。
3. 自己投資とモチベーションの向上
学び直しをすることで、新しい知識やスキルを獲得し、自分の成長を実感することができます。
これにより、自己肯定感が高まり、仕事に対するモチベーションややりがいを感じやすくなります。
4. 再就職や転職活動を有利に
教育訓練給付制度を利用して取得した資格やスキルは、転職活動や再就職活動において大きなアピールポイントとなります。
特に、実務に直結した資格を取得することで、採用担当者に対して自分の能力を客観的に証明しやすくなります。
5. フリーランスとしての独立支援
自営業やフリーランスを目指す場合でも、教育訓練給付制度を活用してスキルを習得することで、独立後の仕事の幅が広がります。
特に、専門的な分野での知識を深めることができ、独立後の業務に活かせるケースが多くなります。

スキルを身につける方法として、オンラインスクールを活用することも有益な手段ですよ!
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教育訓練給付制度を活用した学び直しのステップ

教育訓練給付制度を利用する目的を明確にすることで、より効果的な学び方が見えてきます。

最後に、教育訓練給付制度の活用ステップを一緒に確認していきましょう。

給付金を受給するまでの6つのステップ
教育訓練給付制度を利用して給付金を受け取るまでには、次の6つのステップがあります。
1. 学び直しの目的を明確にする
学び直しを始める前に、まずは、どの分野のスキルを身につけたいのか、なぜキャリアアップや転職を目指すのかといった、具体的な目標を定めることが大切です。
これにより、学習の方向性が明確になり、効率よくスキルを習得しやすくなります。
2. 対象となる講座を選ぶ
教育訓練給付制度では、特定の条件を満たした講座が給付金の対象となります。
例えば、厚生労働大臣指定の訓練を受ける必要があり、オンラインスクールや専門学校、通信教育など、幅広い選択肢があります。
3. 講座の申し込みと手続き
対象となる講座を見つけたら、申込手続きを行います。
この際、教育訓練給付金の申請手続きも必要です。
また、雇用保険に加入している場合は、給付金の申請が可能です。
4. 受講と学び直し
受講が始まったら、しっかりと学び直しを行いましょう。
オンラインであれば自分のペースで学べ、対面式のスクールであれば、先生や同じ目的を持つ仲間と学ぶことで、よりモチベーションを維持できます。
5. 修了と資格取得
受講後、コースを修了し、資格や証明書を取得することが一つの目標です。
この段階で、スキルの証明が可能となり、転職活動やキャリアアップに役立てることができます。
6. 給付金の申請
最後に、修了証書や関連する書類を基に給付金の申請を行います。
通常、支給は講座費用の一部として振り込まれるため、適切なタイミングで手続きを済ませましょう。

資格やスキルを身につけることは、大きな財産になります。
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まとめ
今回の記事のまとめです。
教育訓練給付制度とは、キャリアアップや再就職を支援するために、指定された教育訓練を受講した際、その費用の一部が支給される制度です。
この制度を活用することで、転職や昇進、独立などキャリアの選択肢を広げることができます。
ただし、対象となるのは一定の条件を満たす人に限られるため、事前に確認が必要です。