『育児休業給付金は、どのタイミングで受け取れるの?』
育児休業給付金は、育児休業を開始してすぐに支給されるわけではありません。
そのため、「初回はいつ振り込まれるの?」「自分は受給条件を満たしている?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
育児休業給付金は、支給申請のタイミングや勤務状況によって変わるため、あらかじめ流れを理解しておくことが大切です。
この記事では、育児休業給付金を受け取れるタイミングや受給条件のポイント、申請から支給までの流れをわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- 育児休業給付金を受け取れるタイミング
- 育児休業給付金の受給条件や申請方法
- 出産手当金など、他の給付金との併用や違い

育児休業給付金の支給金額や支給期間について、一緒に確認していきましょう。
なお、出産後の家庭では、子どもの成長に合わせた教育費や住宅費、将来に向けた貯蓄など、長期的なお金の準備も必要になります。
「育児休業中の家計は大丈夫?」「これからどのようにお金を準備していけばいい?」と感じたときは、現在の家計状況や将来の目標を整理することから始めてみましょう。
FPへの相談👇では、保険だけではなく、家計管理やライフプランなど、お金に関する幅広い悩みを整理することができます。
育児休業給付金とは?受給条件・支給金額・支給期間を解説

育児休業給付金とは、育児休業を取得する方の生活を支えるために、雇用保険から支給される給付金です。
育児休業中は仕事を休むことで収入が減少するケースがあります。そこで、育児休業を取得する雇用保険の加入者に対して、休業前の給与を基準に給付金が支給されます。
会社員として働きながら育児休業を取得する方にとって、収入面の不安を軽減する大切な制度といえるでしょう。
ただし、育児休業給付金を受け取るためには、対象となる条件を満たす必要があります。

この章では、育児休業給付金の対象となる方の条件や支給される金額、受け取れる期間について詳しく見ていきましょう。
なお、育児休業給付金は、育児休業中の収入減少を支える制度ですが、妊娠・出産にかかる費用をすべて補えるわけではありません。
出産育児一時金や出産手当金など、妊娠・出産のタイミングで利用できる公的支援制度をあわせて確認しておくことで、今後の家計準備にも役立ちます。
関連記事
妊娠・出産でもらえるお金一覧|出産育児一時金・出産手当金など公的支援制度を解説
育児休業給付金とは?知っておきたい3つの基本ポイント
育児休業給付金は、従業員が育児のために仕事を休み、賃金が減少した場合に国から支給される公的制度です。
育児休業給付金の特徴として、主に以下の3つが挙げられます。
①支給期間
育児休業は産後57日目から取得可能で、給付金の支給は子どもが1歳になる前日までが基本です。
②給付額
育児休業開始から180日目までは、休業前の月額賃金の67%が支給されます。181日目以降は賃金の50%に減額されます。
③育休延長の条件
通常、育児休業給付金の支給は1歳までですが、以下2つのケースでは支給期間を延長できます。
①パパ・ママ育休プラス
両親ともに育児休業を取得する場合、支給期間が1歳2ヵ月まで延長されます。
➁保育所に入れない場合など
保育所に入所できない、またはやむを得ない事情がある場合、育休の期間を最長で2歳まで延長することが可能です。

「1歳に達する日」とは誕生日の前日を指し、給付金の支給が終了するのはその前々日です。
参照:
・厚生労働省『Q9 育児休業給付金は、いつまで支給されるのですか。』
育児休業給付金の受給条件とは?
育児休業給付金は、全ての人が受けられるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。
以下に、その条件を5つ挙げてみます。
①雇用保険への加入
育児休業給付金は雇用保険に加入していることが前提で、雇用形態に関係なく、パートやアルバイトでも受給可能です。
➁被保険者期間
育児休業開始日前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上必要ですが、第一子の育児休業など特別な理由がある場合は、要件を満たさなくても受給可能なことがあります。
③賃金支払基礎日数
育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あることが条件です。
④給料の支払い条件
育児休業中、休業開始前の80%以上の給料が支払われていないことが求められます。もし80%に満たない場合でも、収入に応じて支給額が減額されることがあります。
⑤有期雇用労働者の追加要件
契約社員やパートタイム・アルバイトなどの有期雇用労働者は、以下2つの追加条件を満たす必要があります。
①育児休業開始時において、同一の事業主の下で1年以上働いていること。
②子どもが1歳6ヶ月までの間に、労働契約が更新されないことが明らかでないこと。

なお、育児休業中に他の収入(パートやアルバイトなど)がある場合、支給額が減額されることがあります。
参照:
・Q&A~育児休業給付~|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
育児休業給付金の支給金額と支給期間
育児休業給付金の支給金額と支給期間について、次にそれぞれのポイントをまとめます。
支給金額
育児休業給付金の支給額は、育児休業開始前の給与に基づいて計算されます。
✅支給開始から180日目まで
育児休業開始前の賃金日額の67%が支給されます。
(上限: 最大310,143円)
✅181日目以降
育児休業開始前の賃金日額の50%が支給されます。
(上限: 最大231,450円)
※上限額は令和6年7月1日時点の情報に基づいています。

休業開始時賃金日額は、休業開始前の直近6か月間の総支給額を180で割った金額のことです。
支給期間
支給期間は、基本的には以下の条件に基づいています。
最長支給期間
育児休業を取得した日から子どもが1歳になるまでの期間、または特定の条件を満たす場合には、子どもが1歳6か月になるまで延長可能です。

ただし、支給対象期間は、2歳になるまで延長されることがあるため、詳細については、以下のサイトをご参照ください。
参照:
・厚生労働省『Q11 どのような場合に、2歳まで延長が可能になるのでしょうか。』
育児休業給付金と出産手当金・育児関連の給付金の違いとは?

育児休業給付金と出産手当金は、どちらも出産や育児に関わる時期の生活を支える制度ですが、支給される期間や目的、利用できる条件が異なります。
また、育児休業中や子育て期間には、児童手当などさまざまな支援制度があります。
それぞれの制度を正しく理解することで、自分が利用できる給付金や手当を把握し、家計への備えにつなげることができます。
この章では、育児休業給付金と出産手当金の違いや、育児に関する主な給付金・手当について、それぞれの特徴をわかりやすく解説していきます。

育児休業給付金以外にも、出産や育児を支える公的支援制度があるため、どのような制度を利用できるのか確認しておきましょう。
なお、出産後の生活では、育児用品や生活費、将来の教育費など、さまざまなお金が必要になります。
そのため、利用できる制度を知るだけでなく、実際にどのくらいのお金がかかるのかを把握しておくことも大切です。
関連記事
出産後にかかるお金とは?リアルな出費と続けやすい家計管理の3つのコツ
育児休業給付金と出産手当金の違いとは?
育児休業給付金と出産手当金は、どちらも出産や育児に関連する支援金ですが、目的や支給対象となる期間は異なります。
出産手当金は、健康保険に加入している働く女性が、出産に伴って仕事を休む際に支給される給付金です。
支給期間は、出産前の6週間と出産後の8週間で、その間の給与に代わり、標準報酬日額をもとに計算された金額が支給されます。
一方、育児休業給付金は、出産後に育児休業を取得する方を対象とした制度です。
雇用保険から支給される給付金で、育児休業中の収入減少を補うことを目的としています。支給期間は原則として子どもが1歳になる前日までで、一定の条件を満たす場合は1歳6か月または2歳まで延長される場合があります。
つまり、出産手当金は「出産のために仕事を休む期間」を支える制度、育児休業給付金は「子育てのために育児休業を取得する期間」を支える制度という違いがあります。
どちらも出産後の生活を支える大切な制度ですが、利用できる時期や加入している制度によって対象が異なるため、自分が利用できる給付金を事前に確認しておくことが大切です。

出産手当金の気になるポイントについては、以下のコラムで解説しています
参照コラム
・出産手当金の申請方法を出産前・後で解説|退職後の受給や注意点もご紹介
パパ・ママ育休プラスとは?育児休業給付金とあわせて知っておきたい制度
パパ・ママ育休プラスとは、夫婦がともに育児休業を取得する場合に、育児休業を取得できる期間を延長できる制度です。
通常、育児休業は子どもが1歳になる前日まで取得できますが、一定の条件を満たすことで、子どもが1歳2か月になるまで育児休業を取得できます。
ただし、父母それぞれが取得できる育児休業の期間は、最長1年間です。
この制度を利用することで、夫婦で協力しながら育児を行いやすくなり、子どもの成長に合わせて育児休業を取得しやすくなるメリットがあります。
なお、パパ・ママ育休プラスを利用して育児休業を延長した場合でも、育児休業給付金は受給要件を満たしていれば支給対象となります。
そのため、育児休業を取得する時期や期間を夫婦で相談し、それぞれの働き方や家庭の状況に合わせて制度を活用することが大切です。

パパ・ママ育休プラスについては、以下の記事👇で詳しく解説しています。
関連記事
出生時育児休業の取得方法とは?産後パパ育休前に準備しておくべきこと
育児休業給付金のメリット・デメリットとは?

育児休業給付金は、育児休業中の収入減少を補い、安心して子育てに専念できるよう支援する制度です。
一方で、受給するためには一定の条件を満たす必要があり、通常の給与と同じ金額を受け取れるわけではありません。
そのため、制度を十分に活用するためには、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、自分の働き方や家計に合った育児休業の取得を考えることが大切です。

この章では、育児休業給付金を利用するメリットとデメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。
メリット① 育児中の収入を確保できる
育児休業給付金を利用する最大のメリットは、育児休業中の収入を確保できることです。
育児休業中は仕事を休むため、通常どおりの給与が支給されない、または大幅に減少するケースがあります。
出産後は、おむつやミルク、ベビー用品などの育児費用に加え、生活費もこれまでどおり必要になるため、収入が減ることへの不安を感じる方も少なくありません。
育児休業給付金は、このような収入減少を補うことで、家計への負担を軽減する役割を果たします。
毎月の家賃や住宅ローン、食費、水道光熱費などの固定費を支える助けとなり、生活を維持しやすくなる点が大きなメリットです。
また、経済的な不安が軽減されることで、「早く職場復帰しなければならない」という焦りを和らげ、子どもの成長を見守りながら育児に専念しやすい環境を整えられます。
メリット② 職場復帰しやすくなる
育児休業給付金を活用することは、育児休業を取得しやすくし、職場復帰への準備期間を確保することにつながります。
出産後は、子どもの生活リズムへの対応や育児環境の変化など、仕事と家庭の両立について不安を感じる方も少なくありません。
また、収入が大きく減少する状況では、「早く仕事に戻らなければならない」と感じ、十分に育児と向き合う時間を確保できない場合もあります。
そのため、育児休業給付金によって休業中の収入面を支えることで、必要な期間を育児に充てながら、職場復帰に向けた準備を進めやすくなります。
また、育児休業を取得することで、会社との雇用関係を維持したまま仕事から一時的に離れることができ、復帰後もこれまでの経験やキャリアを活かして働き続けることが可能です。
デメリット① 職場復帰のタイミングによって支給額が変わる
育児休業給付金は、職場復帰する時期によって最終的に受け取れる金額が変わる点に注意が必要です。
例えば、子どもが1歳になるまで育児休業を取得する予定で給付金を受け取っていた場合でも、予定より早く職場復帰すると、復帰日の前日までが支給対象となります。
そのため、数週間早く復帰しただけでも、その期間分の育児休業給付金は受け取れません。
特に、住宅ローンや家賃、教育費など毎月の固定費が大きい家庭では、給付金の受給期間が短くなることで、復帰後の収入とのバランスを事前に考える必要があります。
職場復帰を検討する際は、子どもの成長や家庭の状況だけでなく、「あとどのくらい給付金を受け取れるのか」「復帰後の収入で家計を維持できるのか」まで確認しておくことが大切です。
デメリット② 申請から受給までに時間がかかる
育児休業給付金は、育児休業を開始した後すぐに振り込まれるわけではなく、申請から実際の受給まで一定の期間が必要です。
初回の申請では、勤務先が必要書類を準備し、ハローワークへ申請する手続きが必要になります。
その後、審査を経て支給されるため、育児休業を開始してから初回の給付金を受け取るまで数か月程度かかる場合があります。
例えば、育児休業開始直後は、ベビーベッドやチャイルドシート、衣類、おむつなど、出産後に必要な育児用品の購入が重なる時期です。
しかし、給付金の支給前にまとまった支出が発生する可能性があります。
そのため、育児休業を取得する前には、「給付金がいつ頃振り込まれるのか」を確認し、数か月分の生活費や必要な支出を準備しておくことが重要です。
育児休業給付金は育児期間の家計を支える制度ですが、受給開始までの期間を考慮した資金計画も必要になります。

将来の家計を具体的に把握するためには、今後のお金の流れを整理できるキャッシュフロー表を作成する方法があります。
関連記事
キャッシュフロー表とは|企業・家庭別の役割と作成手順【資産形成ステップ】
育児休業給付金の申請方法と受給までの流れ

育児休業給付金の申請は、原則として勤務先を通じて行います。
自分で直接ハローワークへ申請するケースは少なく、会社が必要書類を準備して手続きを進めることが一般的です。

この章では、育児休業給付金を申請する際の具体的な流れや必要な手続きについて見ていきましょう。
FPに家計診断で
毎月の支払負担を軽減
\まずは気軽に無料相談👇/
【マネーアドバンス】家計のことも 将来のお金のことも FPに無料相談
育児休業給付金の申請に必要な書類とは?
育児休業給付金を申請するためには、いくつかの必要書類を準備する必要があります。
申請手続きは原則として勤務先が行いますが、給付金の支給を受けるためには、会社側で必要な情報や書類をそろえてハローワークへ提出する必要があります。
主な必要書類には、以下のようなものがあります。
✅育児休業給付受給資格確認票
✅育児休業給付金支給申請書
✅賃金台帳や出勤簿など、休業前の勤務状況や給与を確認できる書類
✅母子健康手帳など、育児休業の取得状況を確認できる書類
これらの書類は、勤務先が準備や提出を行うケースが一般的ですが、会社によって手続きの進め方が異なる場合があります。
育児休業を取得する予定がある場合は、事前に勤務先の担当部署へ確認し、必要な手続きや提出時期を把握しておくことが大切です。
参照:
厚生労働省【育児休業等給付の内容と支給申請手続】
育児休業給付金の申請手続きの流れとは?
育児休業給付金の申請手続きは、以下の流れで進みます。
1.勤務先へ育児休業の取得を申し出る
2.勤務先が必要書類を準備してハローワークへ申請する
3.審査後、指定口座へ給付金が振り込まれる
育児休業給付金の申請は、原則として勤務先を通じて行います。本人が直接ハローワークへ申請するケースは少なく、会社が必要書類をそろえて手続きを進めることが一般的です。
まず、育児休業を取得する場合は、勤務先へ育児休業の取得希望を伝え、社内で必要な手続きを行います。その後、会社が「育児休業給付受給資格確認票」や「育児休業給付金支給申請書」などの必要書類を準備し、ハローワークへ提出します。
申請内容が確認され、受給資格が認められると、指定した金融機関の口座へ育児休業給付金が振り込まれます。
なお、育児休業給付金は申請後すぐに受け取れるわけではありません。初回の支給までには一定の期間が必要になるため、育児休業を開始する前に勤務先へ手続きの時期や必要な準備を確認しておくことが大切です。

育児休業給付金の申請方法や必要書類について不明点がある場合は、まず勤務先の人事や総務担当へ確認しましょう。会社を通じて手続きを進める制度のため、申請時期や準備する書類について具体的な案内を受けることができますよ!
まとめ|育児休業給付金を活用して、出産後のお金の不安に備えよう
育児休業給付金は、育児休業中の収入減少を補い、出産後の生活を支えるための大切な制度です。
受け取るためには一定の条件を満たす必要があり、申請から支給までには時間がかかるため、勤務先での手続きや受給までの流れを事前に確認しておくことが重要です。
また、出産手当金など他の公的支援制度とあわせて活用することで、育児期間中の家計負担を軽減することにつながります。
出産後は、育児費用だけでなく、住宅費や教育費など将来に向けたお金の準備も必要になります。利用できる制度を確認しながら、これからのライフプランに合わせた家計管理を進めていきましょう。

