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もしもの医療費に備える|海外出張時に知っておきたい海外療養費制度

Aki

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海外出張では、できる限り本業に集中したいものですが、慣れない環境では思わぬトラブルが起こることもあります。

発熱やケガといった体調不良は誰にでも起こり得ますし、海外の医療費は日本より高額になることも少なくありません。

そんな「もしもの時」に頼りになるのが、海外療養費制度です。

この制度を知っておくことで、海外でかかった医療費の一部を帰国後に健康保険から払い戻してもらうことができます。

この記事では、海外療養費制度の基本利用方法注意点までをわかりやすく解説します。

この記事で分かること

  1. 海外での医療費が高額になる理由
  2. 海外療養費制度の基本的な特徴
  3. 制度活用時の注意点とポイント
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海外療養費制度の特徴活用方法を、一緒に確認していきましょう。

海外出張での医療費リスクとは?

海外出張での医療費リスクと聞かれると、何を想像されるでしょうか。

高額な治療費や予期せぬ入院、慣れない環境での診察の手間など、さまざまな不安が頭に浮かぶかもしれません。

実際、海外では日本よりも医療費が高く、ちょっとした体調不良でも予想以上の出費になることがあります。

Aki
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まずは、海外出張中に起こりやすい健康トラブルと、それに伴う医療費の実態について整理してみましょう。

海外で医療を受ける際の課題(海外出張時)

日本国内での健康トラブルであれば、医療体制が整っているため、比較的すぐに治療を受けることが可能です。

しかし海外では、医療体制や言語、保険制度が日本とは大きく異なるため、同じようにスムーズに治療を受けられないことがあります。

海外出張時にスムーズに治療を受けられない主な理由

1. 医療費の高さ
国によっては診察や入院費が高額になり、急な費用負担が治療の障壁となることがあります。

2. 言語の壁
医師や病院スタッフと意思疎通が難しく、症状や治療内容を正確に伝えられない場合があります。

3. 医療水準の差
必要な設備や専門医が不足している場合があり、治療までに時間がかかることがあります。

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海外出張中に起こりやすい健康トラブル

では、海外出張中に起こりやすい健康トラブルには、どのようなものがあるでしょうか。

海外出張中に起こりやすい5つの健康トラブル

睡眠不足や疲労による体調不良
長時間の移動や慣れない環境での仕事により免疫力が低下し、体調を崩しやすくなります。

発熱・感染症
慣れない食事や水、気候の変化で体調を崩し、風邪や胃腸炎、食中毒などを発症することがあります。

軽度のケガ・事故
滞在先の交通事情や慣れない街での移動中の転倒や軽い事故、またスポーツや外出中のケガも含まれます。

慢性疾患の悪化
高血圧や糖尿病など、普段管理している持病が悪化することがあります。

精神的ストレス・体調不良
長時間の移動や慣れない文化・言語環境によるストレスで、体調を崩しやすくなります。

海外での医療費が高額になる理由

救急車代が有料?といわれると少し驚かれるかもしれません。

日本国内の場合、救急車を利用しても料金はいりませんが、海外ではそうはいきません。

たとえばアメリカでは、救急車を呼ぶだけで数万円~十数万円かかることがあります。

さらに、搬送先の病院での診察や検査、治療費も別途かかるため、緊急時の医療費は非常に高額になりがちです。

Aki
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海外での医療費が高額になる理由としては、主に以下の点が挙げられます。

海外で医療費が高額になる主な理由

自己負担が大きい
国によっては日本の健康保険のような広いカバーがなく、診察料や検査費、薬代などが高額になります。

病院や治療ごとの料金差
特にアメリカでは入院・手術費が数十万~数百万円に及ぶこともあり、公立と私立で大きな差があります。

追加費用の発生
通訳や書類翻訳、緊急搬送など、通常診療以外の費用がかかる場合があります。

為替換算の影響
現地通貨での支払いを日本円に換算するとさらに高額に感じられます。

想定外の医療費が海外出張に与える影響

もちろん、余分な費用は無いに越したことはありませんが、想定外の医療費が出張費用に与える影響を改めて整理すると、以下の負担が増えることが考えられます。

Aki
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予期せぬ医療費等の支出により、以下のように経済的負担が増大する可能性があります。

経済的負担が増える可能性のある5項目

出張費用の大幅な増加
診察や薬代、入院・手術費などが高額になると、予定していた出張費用を大きく超えることがあります。

予算の再配分や調整の必要
医療費の発生により、宿泊費や交通費など他の経費に回す予算を削る必要が生じる場合があります。

出張中の行動制限
体調不良や治療のため、予定していた業務や訪問先への移動が制限されることがあります。

経費精算や保険手続きの手間増加
高額医療費が発生すると、経費精算や保険請求の手続きが複雑になり、事務作業が増える可能性があります。

会社のリスク管理や出張方針への影響
高額医療費の可能性がある国や地域への出張は、出張規程や保険加入条件の見直しを検討する要因となります。

海外療養費制度の基本を知ろう

先ほどの章では、海外出張時の医療費が高額になることをご説明しました。

そこで、万が一に備えて、海外出張時に活用できる海外療養費制度について理解を深めておくことが重要です。

Aki
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この章では、海外療養費制度の概要を確認していきましょう。

制度の対象者と概要

海外療養費制度とは、日本の公的医療保険(健康保険や国民健康保険)に加入している人が、海外で医療を受けた場合に、一定の条件で医療費の一部を日本の保険から払い戻してもらえる制度です。

Aki
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具体的な特徴には、以下の3つが挙げられます。

対象者
海外で病気やケガの治療を受けた日本の公的保険加入者が対象です。

給付内容
日本の保険制度で認められる医療費(診察料、検査料、薬代など)の一部が払い戻されます。ただし、支払った全額が戻るわけではなく、日本国内の保険適用基準に基づいた額が対象です。

手続き
医療機関の領収書や診療明細書などを提出し、帰国後に申請します。

引用:
全国健康保険協会『海外療養費について

払い戻される金額について

海外療養費制度では、海外でかかった医療費の全額が戻るわけではなく、日本国内で同じ治療を受けた場合の費用を基準に計算されます。

Aki
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以下ⒶⒷのパターンを確認してみましょう。

日本基準の費用 < 海外で支払った額

払い戻される金額 = 日本基準の費用 − 自己負担(原則3割)

例:海外で支払った金額 10万円、日本基準 5万円の場合

払い戻し = 5万円 − 1.5万円(5万円の3割負担) = 3.5万円

引用:
健康保険組合連合会 けんぽれん『海外療養費の払い戻し額』より

ワンポイント
・日本基準額が海外での支払額を下回る場合、日本で医療を受けた場合の診療報酬を基準として算出。

日本基準の費用 > 海外で支払った額

払い戻される金額 = 海外で支払った額 − 自己負担(原則3割)

例:海外で支払った金額 6万円、日本基準 8万円の場合

払い戻し = 6万円 − 1.8万円 = 4.2万円

引用:
健康保険組合連合会 けんぽれん『海外療養費の払い戻し額』より

ワンポイント
・日本基準額が海外での支払額を上回る場合、海外での実支払額を上限として算出。

海外療養費制度の利用手順

それでは最後に、海外療養費制度の利用手順をチェックしてみましょう。

この制度を活用する際には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

Aki
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一度にかかる経済的負担を軽減する方法とあわせて、確認していきましょう。

保険の内容や手続きについて相談できるサイト
リクルートが運営する保険チャンネル

申請から払い戻しまでの4つのステップ

日本の健康保険に加入している場合、海外でかかった医療費の一部が払い戻し可能です。

ここで重要なポイントは、払い戻しの基準「日本国内で同じ傷病を治療した場合の医療費」 であることです。

そのため、実際に支払った額がすべて戻るわけではありません

Aki
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以下4つのステップ注意点をそれぞれ確認していきましょう。

申請から払い戻しまでの流れ(4ステップ)

1. 現地で全額を自己負担

2. 帰国後、健康保険組合などへ申請

3. 必要書類を提出
(診療内容明細書・領収明細書〈現地語+日本語訳〉など)

4. 審査のうえ、一部が払い戻される
※計算基準は「日本国内で同じ治療を受けた場合の費用」

注意点

実際に支払った金額が 全額戻るわけではない

美容整形や予防接種など、保険適用外の治療は対象外

経済的負担を軽減する方法とは?

公的制度(海外療養費制度)では、一度自己負担をする必要があり、経済的な負担が大きくなる場合があります。

そのため、海外旅行保険を併用することで、より手厚く備えることが可能です。

Aki
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実は、海外旅行保険は、クレジットカードに付帯しているものもあるんですよ!

クレジットカード付帯の海外旅行保険の3つの特長

1. 保険会社が費用を立て替えてくれる
保険会社が直接病院に費用を支払うため、病院での支払いは不要です。

2. 公的保険より補償が広く、手当が手厚い
治療費・入院費だけでなく、救急搬送費や通訳サービスも付く場合があります。

3. 年会費で保険が自動付帯
年会費だけで海外旅行保険が付帯するカードもあり、別途保険に加入する手間や費用を省けます。

Aki
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クレジットカード付帯の海外旅行保険については、以下のコラムでもまとめています。
ぜひあわせてご覧ください。

参照コラム
クレジットカードの旅行保険は本当に頼れる?国内・海外の付帯保険を比較

まとめ

海外では医療体制や保険制度が日本と異なるため、治療がスムーズに受けられないことや医療費が高額になることがあります。

そのため、海外療養費制度の概要を理解するとともに、海外出張時には海外旅行保険も活用することが推奨されます。