年金受給額の平均は、国民年金のみで月額約5〜6万円、厚生年金を含む場合で男性は約14〜16万円、女性は約9〜11万円程度が目安とされています。
ただし、実際の受給額は加入期間や働き方、現役時代の収入によって大きく異なり、平均値だけでは老後の生活水準を正確に判断することはできません。
本記事では、年金受給額の平均データをもとに、老後の生活費とのギャップを整理しながら、老後に必要な資金の備え方についてわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- 年金受給額の平均はいくらかの目安
- ライフプランで試算する老後資金の不足額
- 不足額から考える老後資金の準備方法

年金と生活費の差を踏まえ、老後(リタイア後)に必要な備えを整理していきましょう。
あなたの年金受給額と老後資金の差、
把握できていますか?
\まずはFPに無料相談👇/
【マネーアドバンス】家計のことも 将来のお金のことも FPに無料相談
老後資金はなぜ必要?年金受給額の平均から見る不足の実態

老後資金は、これまで蓄えてきた資産と、これから受け取る年金によって構成されます。
そのうえで、老後資金が必要な理由は、年金だけでは生活費をすべて賄えないケースが多いという現実にあります。
厚生年金・国民年金の平均受給額はあくまで目安であり、現役時代の収入や加入期間によって差も大きく、実際の生活費をどの程度カバーできるかには個人差があります。
特に老後は、住居費や食費に加えて、医療費や介護費など現役時代には想定しにくい支出が増える傾向があります。

この章では、老後資金の重要性と年金制度との関連性について理解を深めていきましょう。
また、年金だけで老後生活は成り立つのか、不足額や公的保障の仕組みも含めて整理したい方は、こちらの記事👇も参考にしてください。
👉年金だけでも老後生活は可能?不足額と公的保障制度で老後に備える方法
老後資金の内訳とは?年金・資産・その他収入の考え方
老後資金とは、リタイア後の生活を支えるために必要な資金のことです。
これは、退職後の収入が限られる中で、生活費や医療費、介護費用などの支出に対応するための資金を指します。
老後資金は、こうした生活を成り立たせるための資金をいくつかの要素で捉えることができ、主に「年金」「貯蓄・資産」「その他の収入源」の3つで構成されます。

老後資金の具体的な内容には、主に以下の3つが含まれます。
①年金
公的年金(国民年金や厚生年金)や企業年金、個人年金など、退職後に定期的に支給される年金収入を指します。
➁貯蓄・投資資産
現役時代に蓄えた貯蓄や投資から得られる資産を指します。これには銀行預金、株式、債券、不動産などが含まれます。
③その他の収入源
賃貸収入、副業収入、退職金など、その他の収入源も老後資金に含まれる場合があります。
年金制度の全体像|3つの年金制度の役割
日本の年金制度は、老後の生活を支えるために設計された3階建て構造として整理されます。
その全体像は「公的年金」「企業年金」「個人年金」の3つで構成され、それぞれ役割が異なります。
まず1つ目の公的年金は、すべての人が加入する基礎となる制度で、老後の生活費の土台を支える役割を持ちます。
2つ目の企業年金は、会社員を中心に勤務先の制度として上乗せされる年金で、公的年金を補完し、受給額の底上げを行う仕組みです。
3つ目の個人年金は、自分で任意に加入する年金であり、公的年金や企業年金で不足する部分を補うための手段として位置づけられます。
関連記事
・退職金一括受け取り前のチェック項目|年金形式での分割受け取り比較
年金受給額の平均額は?
厚生労働省が発表したデータによると、令和4年度の国民年金の平均受給額は月額56,428円、厚生年金の平均受給額は月額144,982円となっています。
一般的に男性は給与額が高く、勤続年数も長い傾向があるため、厚生年金では男性の受給額が女性よりも月額約6万円程高いことが調査でわかっています。
| 年金の種類 | 平均月額 |
| 国民年金 | 56,428円 |
| 厚生年金(男女平均) | 144,982円 |
| 厚生年金(65歳以上男性) | 167,388円 |
| 厚生年金(65歳以上女性) | 109,165円 |
出典:厚生労働省:令 和 4 年 度 厚 生 年 金 保 険 ・ 国 民 年 金 事 業 の 概 況

年金額は保険料の納付状況や加入年数、給与などに基づいて計算されるため、具体的な受給額については、定期的な確認が推奨されます。
年金について無料相談できるサイトは👇
全国4,500名以上のFPと提携しています!
老後資金はいくら必要?生活費から必要額を試算

老後に必要な金額は、毎月の生活費と年金受給額の差によって大きく変わります。
たとえば、夫婦二人の老後生活で月20万円の生活費がかかる場合、年間では240万円程度の支出になります。
さらに、その生活が20年間続くと考えると、必要となる金額は数千万円単位になります。

この章では、老後の生活費の内訳や、毎月どの程度の老後資金が必要になるのかを見ていきます。
なお、老後の生活費は住む国や地域によっても大きく異なります。
海外移住を含めて老後の暮らし方を考えたい方は、こちらの記事👇も参考にしてください。
👉老後の海外移住におすすめの国は?台湾・オランダなど日本人シニアが住みやすい国5選
老後にかかる4つの主な支出とは?
老後にかかる主な支出は、基本生活費・医療費・趣味や娯楽費・住居費の4つです。
特に、食費や光熱費などの日常的な生活費は老後も継続して発生するため、毎月どの程度の支出になるのかを把握しておくことが重要になります。
また、年齢を重ねることで医療費が増える可能性もあり、将来的な支出として考えておく必要があります。

老後の生活費は、主に以下4つの項目で構成されます。
①基本生活費
食費、光熱費、通信費、家賃または住宅ローンの返済など。
➁医療費
定期的な医療チェックや予防接種、突発的な病気や治療にかかる費用。
③趣味・娯楽費
旅行や趣味、外食など、生活の質を向上させるための支出。
④住居費
住宅の維持管理や修繕、家賃(賃貸の場合)など。
老後生活には毎月どのくらいのお金が必要?
老後生活に必要なお金は、生活スタイルや住環境によって異なるものの、毎月20万円〜30万円前後が一つの目安になります。
特に、食費や光熱費などの基本生活費に加えて、医療費や住居費、趣味や交際費なども継続的に発生するため、現役時代と同じように一定の生活費が必要になります。
また、持ち家か賃貸かによって住居費は大きく変わり、旅行や趣味にどの程度お金を使うかによっても必要額は変動します。

総務省の統計データによると、夫婦の消費支出は年齢によって異なりますが、65歳からは最低でも月々20万円以上が必要であることが分かります。
| 生活費(月) | 年間生活費 | |
| 65~69歳 | 27万円 | 324万円 |
| 70~74歳 | 26万円 | 312万円 |
| 75歳以上 | 22万円 | 264万円 |
出典:総務省統計学:2019年全国家計構造調査
家計収支に関する結果
一般的には、夫婦がリタイア後に必要な資金として、2,000万円〜3,000万円程度が目安とされています。
これは、毎月20万円程度の生活費が長期間かかることを前提に考えられているためです。
老後に2,000万円必要といわれる背景については、こちらの記事👇でも詳しく解説しています。
👉老後資産2,000万円どう準備する?資産形成対策が必要な理由とは
老後資金をどう準備する?年金と資産形成の基本

老後資金を準備するうえでは、年金だけに頼るのではなく、資産形成も含めて考えることが重要です。
公的年金は老後生活を支える基盤になりますが、受給額だけで生活費をすべて賄えるとは限りません。
そのため、不足しやすい部分に備える方法として、預貯金やNISA・iDeCoなどを活用しながら、計画的に資産を準備していく必要があります。
特に、早い段階から少額でも継続的に準備を進めることで、将来的な負担を分散しやすくなります。

この章では、老後資金をどのように準備していくべきかについて、年金制度と資産形成の基本をもとに整理していきます。
なお、老後資金を準備するうえでは、「毎月どれだけ貯蓄や積立に回せるか」も重要なポイントになります。
毎月の支出を見直しながら、貯蓄につなげるライフハックを知りたい方は、こちらの記事👇も参考にしてみてください。
👉ライフハックで毎月1万円の貯蓄法とは?可処分所得を増やすための実践
老後に向けた資産形成はiDeCoやNISAがおすすめ?
老後に向けた資産形成を考える場合、iDeCoやNISAを活用した積立投資は有力な選択肢になります。
特に、iDeCoやNISAは税制優遇を受けながら資産形成を進められる制度のため、長期的に老後資金を準備したい人と相性が良い特徴があります。

以下に、iDeCoと新NISAの特徴を簡潔にまとめてみます。
老後に向けた資産形成①確定拠出年金(iDeCo)
iDeCo(イデコ)は、確定拠出年金法に基づいて運営されている私的年金制度で、老後に向けた資産形成を目指します。

iDeCoの主なメリットは以下の3つですよ。
①掛金が全額所得控除の対象になる
積み立てた掛金は全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。
➁受取時に税制優遇を受けられる
年金形式で受け取る際に、一定額まで税制優遇を受けることができます。
③運用益が非課税
積立金を運用して得られる運用益は非課税となります。
iDeCoは個人で加入する制度ですが、勤務先によっては「企業型DC(企業型確定拠出年金)」が導入されているケースもあります。
そのため、老後資金を効率的に準備するためには、自分がどちらの制度を活用できるのかを事前に整理しておくことが重要になります。
確定拠出年金の始め方や、iDeCo・企業型DCの違いについては、以下の記事👇で詳しく解説しています。
👉確定拠出年金を始めるなら?iDeCoと企業型DCの違いや選び方を整理
老後に向けた資産形成➁NISA
NISAは、利益が非課税になる投資制度です。

新NISAの主なメリットは以下の3つです。
①投資信託の運用益が非課税
投資から得られる配当金や売却益が非課税となります。
➁長期資産形成が可能
つみたて投資枠と成長投資枠の両方で、保有期間に上限が設けられていないため、長期での資産形成が可能です。
③運用資金をいつでも引き出せる
投資した資金は、必要に応じていつでも引き出すことができます。
NISAは長期的な資産形成と相性が良い制度ですが、実際に毎月どの程度積み立てると、将来的にどれくらいの資産形成につながるのか気になる方も多いと思います。
積立額ごとの資産形成シミュレーションについては、以下の記事👇で詳しく解説しています。
👉積立NISAのシミュレーション|月1万円・3万円・5万円の20年後は?【利回り別に比較】
老後の資産形成をFPに相談するメリットって?
老後の資産形成を考える場合、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することで、自分に合った資金計画を整理しやすくなります。
老後資金は、年金受給額や生活費、住宅ローンの有無、退職後も働く予定があるかどうかによって、必要な金額が大きく変わります。
たとえば、持ち家か賃貸かによって毎月の住居費は大きく異なり、医療費や介護費への備えがどの程度必要になるかも人によって変わります。
そのため、現在の収入や支出、貯蓄額をもとに、「毎月いくら積み立てればいいのか」「老後までにどの程度の資産形成が必要なのか」を具体的に整理していくことが重要です。
また、iDeCoやNISAも、節税を重視したいのか、将来的に柔軟に引き出したいのかによって向いている制度が異なります。
こうした資産形成の相談をFPに検討している方は、無料相談と有料相談の違いも事前に理解しておくことが重要です。
FP相談の選び方については、以下の記事👇で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
👉FP相談はどこが安心?無料と有料の違いとおすすめ相談先ランキング
まとめ|老後資金は生活設計に合わせた準備が重要
老後資金は一律で決まるものではなく、年金の受給額や生活費、住居の状況、働き方によって必要な金額は大きく変わります。
そのため、平均的な受給額だけで判断するのではなく、自分のライフプランに基づいて「どの程度不足する可能性があるのか」を把握しておくことが重要です。
そのうえで、不足分については貯蓄やiDeCo・NISAなどを活用しながら、早い段階から計画的に準備していくことが現実的な対策になります。
