『ポートフォリオ戦略ってなぜ必要なの？』
個々の将来目標を実現するためには、適切な資産運用が欠かせませんが、
その実現には、効果的なポートフォリオ戦略を取り入れ、リスクとリターンのバランスを整えることが大切です。
この記事では、ポートフォリオ戦略の必要性と、その基本的な構築方法についてわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- ポートフォリオ戦略が資産運用に必要な理由
- ポートフォリオ戦略の基本的な構築ステップ
- リスクとリターンのバランスを取る考え方と実践方法
なぜ資産運用がライフプランにおいて重要なのか、一緒に学んでいきましょう。
ポートフォリオ戦略とは
一般的に「ポートフォリオ」とは、投資家が複数の金融商品を組み合わせて構築する「投資ポートフォリオ」を指します。
異なる資産クラスを組み合わせることで、特定の資産で発生する損失を抑えるだけでなく、複数の資産の相乗効果により、リターンの向上が期待できることを意味します。
まずは、ポートフォリオ戦略のメリットとデメリットについて確認していきましょう。
ポートフォリオを構築するメリット
ポートフォリオは、適切に構築・管理することでリスクを分散し、同時にリターンを最大化することができるため、資産運用において重要な役割を果たします。
ポートフォリオ構築のメリットは、主に次の3点です。
①リスクの分散
特定の資産クラスの損失を軽減できるため、例えば、特定企業の株式の損失を、相関関係が低い不動産の値上がりで補うことができます。
②リターンの最大化
株式の値上がりや不動産の賃料収入など、異なる資産クラスを組み合わせることで相乗効果が生まれ、ポートフォリオのリターンを向上させます。
③投資の効率化
複数の資産クラスを組み合わせることで、複利効果を活用して資産を効果的に増やすことが可能です。
ポートフォリオの構成内容
ポートフォリオの構成要素には、主に以下の4つが含まれます。
1．株式
・配当や株価上昇によるリターンが期待できるが、値動きが大きくリスクも高い。
・株価の急落による資産価値の減少もある。
2．債券
・企業や国が発行する借用証書であり、元本と利息の支払いが約束されている。
・株式よりリスクは低いが、リターンも低い。
3．不動産
・土地や建物などの不動産資産であり、賃料収入や売却益によるリターンが期待できる。
・初期費用が大きく、売却には時間がかかるため流動性が低い。
4．現預金
・お金そのものであり、最も流動性が高いが、リターンはほとんど期待できない。
・現在では急激なインフレにより価値が下がる傾向がある。
これらの資産クラスは、国内と海外、先進国と途上国などに分けられることもあります。
主として組み入れられる要素は上記の4つですが、さらに上記以外にもいくつかあります。
①コモディティ
・金や原油などの自然資源や物資。
・インフレヘッジやポートフォリオの多様化のために組み込まれることがある。
➁為替
・異なる通貨間価値の相対的な変動に基づく取引や投資を指す。
・外国為替市場での通貨売買や、外国の金融資産の保有を通じて行われ、通貨の価値変動によって利益を得る。
③オルタナティブ投資
・株式や債券とは異なる資産クラスに分類される投資。
・ヘッジファンド、不動産投資信託（REITs）、私募ファンドなどが含まれる。
④投資信託
・複数の資産（株式、債券、不動産など）を一つのポートフォリオにまとめたものであり、個々の投資家が取引可能な形態で提供される。
どの投資商品を選ぶかよりも、どのようにリスクヘッジをするかを考えることが大切です。
資産運用について相談できるサイト
・資産運用の相談なら【オンアド】
ポートフォリオの作り方
まず、運用目的と運用期間は密接に関連していることを理解しておきましょう。
例えば、老後資金の準備と子供の教育資金を目的とした運用では投資期間が異なるため、運用目的と運用期間を明確にすることで、それぞれに適したポートフォリオを構築することが可能です。
この章では、ポートフォリオの構築方法を詳しく見ていきましょう。
運用目的の明確化
先ほどもお伝えしたように、ポートフォリオを構築する際には、まず運用目的を明確にすることが大切です。
運用目的を明確にすることで、投資家は自身の目標やリスク許容度に合ったポートフォリオ構築の方針を確立することができます。
運用目的には、以下4つの項目が挙げられます。
- 資産形成
将来の経済的安定を確保するため、リスクを抑えつつ効率的にリターンを追求することが目的です。 - リタイアメント
退職後の生活資金を確保するため、年金や退職金などの収入に加え、計画的に資産を運用することが目的です。 - リスクヘッジ
市場の変動リスクを軽減するため、金や債券など現金以外の資産を保有し、資産減少に備えることが目的です。 - インカムゲイン
定期的な収入を確保するため、配当金や利息などの収入源を重視し、収益の安定を目指します。
合わせて読みたいコラム
・具体的な投資方針と目標設定｜資産形成に欠かせない3つの視点
運用期間の策定
運用期間の策定は、ポートフォリオを構築する上で重要な要素です。
運用期間は、短期（1年～数年）と長期（数年以上）に分けて考えてみましょう。
短期間の資産運用のポイント
運用期間が短期間の場合、市場の急激な変動によって損失を被るリスクが高まります。
そのため、リスクをより抑えたポートフォリオを構築することが必要です。
具体的には、株式の割合を減らし、債券の割合を増やしたり、投資信託やETFなどの分散投資商品を活用することが大切です。
長期間の資産運用のポイント
一方、運用期間が長期間の場合、リスク許容度を高めて、リターンを重視したポートフォリオの構築を考えることができます。
長期的な投資期間では、市場の短期的な変動の影響を受けにくくなるため、株式の割合を増やしたり、個別銘柄への投資を検討することができます。
参照コラム
・長期的な資産形成｜インデックス投資と資産配分の役割
おさえておきたいポイント
ポートフォリオ戦略の一つにリバランス（割合補正）があります。
では、なぜリバランスが重要なのか、最後にポートフォリオ戦略で押さえておきたいポイントを確認していきましょう。
リバランス（割合補正）の必要性
ポートフォリオは資産価値に基づいて構築されますが、その後の市場の変動によって各資産の割合が変化してしまいます。
このため、定期的にポートフォリオの割合を調整し、理想的なバランスを保つことが大切です。
リバランスの頻度には決まりはありませんが、最低でも年に1回は行うことが推奨されています。
これにより、現在の資産状況を把握し、目標に向けて調整することができます。
さらに、経済全体や市場に大きな影響を与える出来事があった場合や、保有している資産に重大な変動があった場合は、必要に応じてリバランスを行うことも大切です。
これにより、ポートフォリオのリスクを最小限に抑え、投資目標に向かって効果的に進むことができます。
投資には予期しないリスクがあるため、利益追求よりも資産の減少を防ぐことが重要です。
まとめ
ポートフォリオを形成する際は、商品の選択に加え、リスクヘッジの手法も重要です。
リスクヘッジは、異なる資産クラスや投資商品を組み合わせることで特定のリスクに備え、ポートフォリオ全体の安定性を確保する戦略です。
そして、自身の目標やリスク許容度に合った戦略を見直すためにも、定期的にリバランス（資産の比率を調整すること）を行うことも大切です。