パッシブ運用は、低コストで安定したリターンが期待できることから、投資初心者からベテラン投資家まで幅広い層に支持されている投資手法です。
ただし、効果的に活用するには、インデックス投資やリバランスといった基本的な用語や仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、パッシブ運用の仕組みと、それに関連する主要な用語について、わかりやすく解説していきます。
この記事で分かること
- パッシブ運用の基本的な仕組み
- パッシブ運用に関連する主要な専門用語
- パッシブ運用を効果的に活用するための基礎知識

パッシブ運用を自身の投資戦略にどのように活かせるか、一緒に学んでいきましょう。
そもそも、パッシブ運用とは?

パッシブ運用は、市場全体の動きに連動するインデックスを追跡する投資手法で、個別銘柄の選定や市場のタイミングを積極的に狙わず、長期的な成長を目指します。

まずはじめに、パッシブ運用の特徴について見ていきましょう。

パッシブ運用とは?
改めて、パッシブ運用とは、市場全体の動向に連動する投資手法で、特定の市場インデックスの成績に基づいて投資を行う方法です。
この運用の主な目的は、市場全体の成長を長期的に享受することにあります。
そのため、一般的にはインデックスファンドやETF(上場投資信託)を利用し、個別銘柄の選定や売買のタイミングを積極的に狙わず、低コストで安定したリターンを目指します。

「パッシブ」とは、積極的に銘柄選定や売買タイミングを行わず、市場全体に従って投資を行う受動的な運用方法を意味します。
パッシブ運用のメリットとデメリット
パッシブ運用の主なメリットとして、以下の3点が挙げられます。
①低コスト
個別銘柄の選定や市場タイミングを追わないため、運用手数料を低く抑えられます。
②長期投資が可能
市場全体の成長を見込み、短期的な売買を避けて長期的に投資を続けられます。
③分散投資が可能
インデックスファンドやETFを通じて自然に分散効果が得られ、リスクを軽減できます。
一方で、パッシブ投資の主なデメリットとして、以下の3点が挙げられます。
①市場全体の下落時に影響を受ける
市場全体やインデックスに連動するため、全体が下落するとその影響を避けられません。
②成長機会を逃す可能性がある
銘柄選定を行わないため、市場で急成長する銘柄を取り逃がすことがあります。
③柔軟性が低い
インデックスに従うため、市場や経済環境に応じた調整ができず、運用の柔軟性に欠けます。
アクティブ運用との違い
アクティブ運用は、市場平均を上回るリターンを目指す投資手法です。
その主な特徴として、以下の3点が挙げられます。
①銘柄選定の積極性
ファンドマネージャーが市場動向や企業業績を分析し、ベンチマークを上回るリターンを狙って投資先を選びます。
②市場環境に応じた柔軟な運用
経済状況や市場の変化を踏まえ、投資戦略を見直しながら資産配分や売買を柔軟に調整します。
③リスクを取ったリターン追求
市場平均(ベンチマーク)を超えるリターンを目指し、損失のリスクも許容しながら積極的に運用します。

アクティブ運用についての詳細は、以下のコラムでまとめていますよ。
参照コラム
・アクティブ運用の基本戦略|テクニカル×ファンダメンタル分析の実践法
パッシブ運用に関連する主な用語

先ほどの章で「市場全体の動きに連動するインデックスを追跡する」とご説明しましたが、具体的には、パッシブ運用は日経平均株価やS&P500など、特定の市場インデックスに連動した投資を行います。

この章では、インデックス投資をはじめ、パッシブ運用に関連する主要な用語について確認していきましょう。
インデックスファンド
インデックスファンドは、特定の株価指数(例:日経平均、S&P500)に連動する投資信託で、積極的な銘柄選定はせず、市場全体のリターンを目指します。
3つの主な特徴
①市場平均に連動
・指数の構成銘柄を保有する。
➁低コスト
・運用手数料が安い。
③分散投資
・多くの銘柄に分散して投資する。

市場全体のパフォーマンスを反映させ、長期的に安定した運用が期待できます。
参照コラム
・インデックス投資の魅力|S&P500・日経平均に連動する投資法入門
アセットアロケーション(資産配分)
アセットアロケーション(資産配分)とは、投資家がリスクを分散するために、株式、債券、現金などの異なる資産クラスに資産を配分する戦略です。
3つの主な特徴
①リスク分散
・異なる資産に投資することで、リスクを軽減。
➁目標に合わせた配分
・投資目的やリスク許容度に応じて資産を配分。
③市場環境に応じた調整
・定期的に資産配分を見直す。

この戦略により、リスク分散が図れ、安定した運用が可能となります。
関連コラム
・アセットアロケーションとは?ポートフォリオの違いと2つの戦略手法
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)は、証券取引所で売買可能な投資信託で、株式や債券などのインデックスに連動して運用されます。
3つの主な特徴
①リアルタイム取引
・株式のように証券取引所で売買できる。
➁低コスト
・アクティブ運用に比べて運用コストが低い。
③分散投資
・複数の資産に分散投資が可能。

ETFは市場全体に分散投資できるため、パッシブ運用に適した金融商品と言えます。
関連コラム
・ETFの基本と活用術|上場投資信託で始める資産運用のメリットとリスク
インデックス運用の基本用語

改めて整理すると、インデックスとは、特定の市場や業界の動向を示す代表的な指標を指します。
つまり、パッシブ投資とは、このインデックスを基にした投資手法であり、市場全体や特定セクターの成績に連動することを目的としています。

それでは最後に、インデックス投資に関連する主な用語を確認していきましょう。
資産運用について相談できるサイト
・【マネードットコム】
ベンチマーク
ベンチマークとは、パッシブ運用において投資成果を判断するための基準となる指標です。
例えばインデックス投資では、S&P500や日経平均株価などが代表的なベンチマークとして用いられます。
つまり、投資家は自身のポートフォリオの運用成績をこのベンチマークと比較することで、投資戦略の効果を客観的に評価することができます。
主な役割
ベンチマークは、ポートフォリオのパフォーマンスを測る目安として使われ、基準と比べてどの程度達成できているかを確認します。

ベンチマークのメリットは、投資成果を市場と比較して評価できることですよ。
関連コラム
・投資ベンチマークの役割とは?具体例3選と活用の6ステップ
インデックスリバランス
インデックスリバランスとは、インデックス内の銘柄構成やその比率を、定期的に見直して調整するプロセスを指します。
たとえば、S&P500では、業績悪化や上場などの理由により構成銘柄の入れ替えが定期的に実施されます。
主な役割
市場の変化に応じてインデックスの銘柄構成を見直し、適切な分散とリスク管理を維持することです。

つまり、リバランスを行うことで、適切なリスク管理が可能になります。
関連コラム
・インデックスリバランスの影響とは?投資戦略を最適化する実行手順の解説
積立投資(ドルコスト平均法)
ドルコスト平均法は、定期的に一定額を投資し続ける方法です。
この戦略では、市場の価格変動に関係なく、一定額を定期的に投資することで、購入単価を平均化します。
2つの主な特徴
①価格変動への対応
市場価格が低いときは多く、価格が高いときは少なく購入するため、長期的に価格変動の影響を抑えることができます。
②投資心理の抑制
定期的な投資により、感情に左右されることなく冷静に投資を続けやすくなります。

市場の価格変動に左右されることなく、長期的に継続できる点が最大のメリットです。
関連コラム
・ドルコスト平均法とは?投資を安定させる効果的なアプローチ
まとめ
今回の記事のまとめです。
パッシブ運用は、市場全体に連動する投資手法で、インデックスファンドやETFを使い、低コストで長期的な成長を目指します。
メリットはコストの低さとリスク分散ですが、市場全体の下落や急成長銘柄の取り逃しといったデメリットもあります。
そのため、「インデックスファンド」や「ETF」、「ベンチマーク」などの関連用語を理解しておくことも大切です。