『オルカンって具体的にどういったものなの?』
投資を始めたい人なら、オルカンという言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。
オルカンは、オール・カントリー(All Country)の略称で、全世界の株式に幅広く分散投資でき、投資初心者でも始めやすい投資信託です。
この記事では、オルカンとはどのような投資信託なのか、なぜ初めての積み立て投資に選ばれやすいのかをわかりやすく解説します。
この記事で分かること
- オルカン投資のメリット・デメリット
- 初めての積み立て投資にオルカンが選ばれる理由
- オルカン投資の始め方・活用方法

オルカン投資の仕組みと活用法を一緒に学んでいきましょう。
そもそも、オルカンとは?

投資にはリスクが付き物ですが、オルカンは世界中の銘柄に分散して投資するため、
特定の国や企業に依存せず、長期的に安定した資産形成を目指しやすいというメリットがあります。

まず最初に、オルカン投資の主な特徴について見ていきましょう。
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オルカン(全世界株式インデックス)の特徴
オルカンとは、正式名称をeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)といい、
世界中の株式に分散投資できる投資信託のことです。
名前のとおり、「オール・カントリー=全世界」をカバーしており、
これ1本で先進国から新興国まで、幅広い地域の株式に投資できます。
投資対象は、アメリカや日本、ヨーロッパ諸国などの先進国だけでなく、
中国やインドなどの新興国も含まれており、
およそ47か国・約3,000銘柄に分散投資が行われています。
そのため、特定の国や企業の景気に左右されにくく、
世界経済全体の成長にあわせて資産を増やしていくことができます。

オルカンの特徴を簡潔にまとめたものが、以下の図1になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
| 投資対象 | 世界中の株式(先進国+新興国) |
| 対象指数 | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI) |
| 運用方法 | インデックス型(指数連動型) |
| 信託報酬(手数料) | 年率約0.05775%(※2025年時点) |
| 購入単位 | 100円などの少額から可能(つみたてNISA対応) |
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オルカン投資の4つのメリット
オルカンの最大のメリットは、これ1つで世界中の株式に分散投資できることです。
投資には必ずリスクが伴いますが、分散投資によって特定の国や企業の影響を受けにくくなり、リスクを抑えながら長期的に資産を形成することができます。
オルカン投資の4つのメリット
1. 全世界分散投資
・先進国と新興国を含む約47か国、約3,000銘柄に投資できる。
2. 低コスト
・信託報酬が年率約0.05775%と業界最安水準。
3. つみたてNISA対応
・少額から積立が可能で初心者でも始めやすい。
4. 自動再投資
・運用中の利益が自動で再投資され、複利効果を得やすい。
オルカン投資のデメリット
オルカンはリスク分散しやすい投資信託ですが、約6割が米国株で構成されているため、米国市場の動向に左右されやすい点などには注意が必要です。
オルカン投資の4つのデメリット
1. 元本保証なし
・株式市場の値動きで短期的に評価額が下がることがある。
2. 米国に依存
・投資対象の約6割が米国株で、米国市場の影響を受けやすい。
3. 分配金なし
・利益は自動で再投資されるため、短期の現金収入は得られない。
4. 短期運用には不向き
・短期の利益を狙うより、長期・積立向き。
オルカンの投資内訳(国・業種・銘柄)

オルカン投資の仕組みについて、なんとなくご理解いただけたでしょうか。
オルカン自体は単一のファンドですが、地域や業種、株式やETFなど、さまざまな資産で構成されています。

ここからは、オルカン投資に含まれる具体的な種類について見ていきましょう。
国・地域別の構成比
第一章でお伝えした通り、オルカンは構成銘柄の約6割をアメリカ株が占めています。
残りの約4割は、日本やイギリス、カナダ、フランス、スイス、ドイツなど、先進国や新興国の株式に分散されており、全世界の株式市場に幅広く投資する設計となっています。

以下の図2で、国・地域別の組み入れ比率を確認してみましょう。
| 順位 | 国・地域 | 組入比率 |
|---|---|---|
| 1 | アメリカ | 63.4% |
| 2 | 日本 | 4.8% |
| 3 | イギリス | 3.4% |
| 4 | カナダ | 2.7% |
| 5 | フランス | 2.6% |
| 6 | スイス | 2.2% |
| 7 | ドイツ | 2.2% |
| 8 | ケイマン諸島 | 2.0% |
| 9 | インド | 1.9% |
| 10 | 台湾 | 1.7% |
参照資料:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
組み入れ業種割合
組入比率が高い業種としては、情報技術や金融、ヘルスケアなどが挙げられます。
これらの業種は成長性や収益性が高く、幅広く分散されていることが特徴です。

オルカンの投資先で、比重が大きい業種を図3で確認してみましょう。
| 順位 | 業種 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | 情報技術 | 23.1% |
| 2 | 金融 | 17.7% |
| 3 | 一般消費財・サービス | 10.5% |
| 4 | 資本財・サービス | 10.4% |
| 5 | ヘルスケア | 10.1% |
| 6 | コミュニケーション・サービス | 8.0% |
| 7 | 生活必需品 | 6.1% |
| 8 | エネルギー | 4.1% |
| 9 | 素材 | 3.6% |
| 10 | 公益事業 | 2.6% |
参照資料:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
主要投資銘柄
オルカンは約2,500以上の銘柄で構成されていますが、
その中でも、上位銘柄にはApple、NVIDIA、Microsoftなどの情報技術の大手企業が多く含まれています。

図4は、組入比率の高い上位10銘柄をまとめたものですよ。
| 順位 | 銘柄 | 国・地域 | 業種 | 比率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | APPLE INC | アメリカ | 情報技術 | 4.2% |
| 2 | NVIDIA CORP | アメリカ | 情報技術 | 3.5% |
| 3 | MICROSOFT CORP | アメリカ | 情報技術 | 3.5% |
| 4 | AMAZON.COM INC | アメリカ | 一般消費財・サービス | 2.4% |
| 5 | META PLATFORMS INC-CLASS A | アメリカ | コミュニケーション・サービス | 1.6% |
| 6 | ALPHABET INC-CL A | アメリカ | コミュニケーション・サービス | 1.4% |
| 7 | TESLA INC | アメリカ | 一般消費財・サービス | 1.0% |
| 8 | BROADCOM INC | アメリカ | 情報技術 | 1.0% |
| 9 | TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC | 台湾 | 情報技術 | 0.9% |
| 10 | BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B | アメリカ | 金融 | 0.9% |
参照資料:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
オルカン投資の始め方

投資には必ずリスクが伴うため、投資初心者はリスクを正しく理解してから始めることが大切です。
そして、投資初心者が始めやすい投資法として、少額からの積み立て投資があります。

この章では、オルカンの積み立て投資の始め方について見ていきましょう。
オルカン投資を始めるための2ステップ
オルカン投資を始めるには、まず証券口座を開設する必要があります。
証券口座は、普段利用している銀行や金融機関で開設することもできますし、ネット証券などで新たに開設することも可能です。

オルカンを始めるには、以下2つのステップが原則となりますよ。
1. 証券口座を開設
オルカンの購入は預金口座などでは行えないため、証券口座を開設する必要があります。
Ⓐ銀行や金融機関経由での開設
Ⓑネット証券での開設
・SBI証券、楽天証券、マネックス証券など。
2. 投資方法を選ぶ
オルカンは積み立て投資と一括購入の2種類があります。
Ⓐ積み立て投資
・毎月少額から購入でき、株価変動の影響を平準化できる方法。
Ⓑ一括購入
・まとまった資金を一度に投資する方法。
なぜNISA口座で運用する方がお得なの?
オルカンなどの投資信託をNISA口座で運用すると、通常かかる売却益や分配金にかかる税金が非課税になります。
通常の口座では利益の約2割が税金として差し引かれますが、NISA口座を利用すれば、その分、利益を丸ごと手元に残すことができます。
また、新NISAでは運用期間が恒久化したことにより、少額からコツコツと資産を増やしたい初心者にも利用しやすくなっています。
そのため、NISAを活用することで、税金の負担を減らしつつ、長期的な資産形成を進めることができます。

NISA口座の開設方法については、以下のコラムをご参照ください。
SBI証券での口座開設のステップも記載していますよ!
関連コラム
・新NISAの仕組みとは?SBI証券での始め方と口座開設ステップをわかりやすく解説
まとめ
今回の記事のまとめです。
オルカンは、世界中の株式に分散投資できる投資信託です。
分散投資によりリスクを抑えながら、長期的に資産を増やすことが可能です。
また、NISAを利用して積み立て投資を行うことで、より効率的に資産形成を進められます。
※補足
資料に活用している情報は2025年03月31日現在時点のものです。商品に関する情報は必ず最新のものをご確認いただくようにお願いします。
