『オルタナティブ投資ってどんなもの?』
オルタナティブ投資は、株式や債券以外の投資手段として、近年注目を集めています。
代表的な投資対象には、不動産、ヘッジファンド、商品(コモディティ)などがあり、リスク分散やリターンの向上を目指す投資家にとって有効な選択肢となります。
本記事では、オルタナティブ投資の基本的な特徴や活用するメリット・デメリットについて詳しく解説します。
この記事で分かること
- オルタナティブ投資の基本的な特徴
- オルタナティブ投資の主な投資対象
- オルタナティブ投資の活用方法

オルタナティブ投資のメリット・デメリットを一緒に整理してみましょう
オルタナティブ投資とは?

オルタナティブ投資は、株式や債券に依存しない投資方法です。
投資家は、不動産やヘッジファンド、商品(コモディティ)など、さまざまな資産に分散投資することで、リスク管理やリターンの向上を目指します。

まずは、オルタナティブ投資の基本的な特徴について見ていきましょう。

オルタナティブ投資の定義と概要
「オルタナティブ」という言葉は、もともと「従来の枠組みを超えた」や「伝統的なアプローチにとらわれない」という意味があります。
こうした背景から、オルタナティブ投資(Alternative investments)は、株式や債券などの従来の資産とは異なる投資手段を指し、「代替投資」とも呼ばれています。
これらは、リスク分散や収益向上を目的として、伝統的な資産クラスに依存しない資産に投資するものとされています。
なぜオルタナティブ投資が注目されるのか
オルタナティブ投資は、ポートフォリオに組み込むことでリスク分散効果を高めるだけでなく、市場変動に対して強い耐性を持つ可能性があります。

主な理由は上記の通りですが、細分化すると以下の5つに整理できます。
①リスク分散
オルタナティブ投資は株式や債券とは異なる資産クラスに投資するため、ポートフォリオのリスク分散に役立ちます。
例えば、不動産やヘッジファンドは、株式市場の変動とは独立して動くことが多く、全体的なリスクを抑えることができます。
➁市場の不安定時に有効
経済や市場の不確実性が高いときに、オルタナティブ投資は安定したリターンを狙う手段として有効です。
例えば、商品(コモディティ)や不動産は株式市場と異なる動きをすることがあり、ヘッジとしての役割を果たします。
③高いリターンの可能性
オルタナティブ投資は、リスクを取ることで高いリターンを得る機会があります。
不動産やプライベートエクイティは特に高いリターンを狙いやすい資産クラスとされており、株式や債券と異なる成長機会を提供します。
④低い相関関係
オルタナティブ投資は、株式や債券市場と異なる動きをすることが多いため、他の資産との相関が低い傾向があります。
これにより、市場の動きに左右されず、安定したリターンを追求することができます。
⑤多様化する経済環境への対応
世界の経済環境は変化し続けており、従来の投資手段だけでは十分に対応できない場合があります。
オルタナティブ投資は、新たな市場や成長分野にアクセスできるため、経済の多様化に対応する手段となり得ます。
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オルタナティブ投資の種類と特徴

オルタナティブ投資には多様な種類があり、それぞれに特徴があります。
代表的なものとして、不動産投資、ヘッジファンド、プライベートエクイティ、商品(コモディティ)などが挙げられます。

この章では、オルタナティブ投資の具体的な投資対象を詳しく見ていきましょう。
オルタナティブ投資の7つの種類
オルタナティブ投資には、従来の株式や債券とは異なるさまざまな投資手段があります。

以下に、オルタナティブ投資の代表的な7つの投資手段をご紹介します。
1. 不動産投資
不動産は、安定したキャッシュフローと資産価値の上昇を狙うことができる投資手段です。
個人での不動産投資に加え、不動産投資信託(REITs)を通じて市場にアクセスすることもできます。
2. ヘッジファンド
ヘッジファンドは、株式や債券などの伝統的な資産に投資するだけでなく、ショートセールやレバレッジを活用した投資を行い、市場の上下に関係なくリターンを追求します。
リスクが高いものの、高リターンを目指すことができます。
3. プライベートエクイティ(PE)
プライベートエクイティは、上場していない企業に対して投資し、経営改善を行ったり、企業価値の向上を目指して投資します。
成長ポテンシャルが高い企業に投資できる一方、流動性が低く、長期間の投資が求められます。
4. コモディティ(商品)投資
コモディティ(商品)投資は、金、銀、原油、農産物などの物理的な商品に投資することです。
インフレヘッジやリスク分散のために用いられ、価格の変動が大きいため、短期的には高いリスクを伴うことがあります。
5. クラウドファンディング
クラウドファンディングは、個人や企業がプロジェクトや事業に対して資金を集める手段です。
新興企業や不動産プロジェクトなど、一般的にアクセスできない投資先に投資できる点が魅力です。
6. アート・コレクション投資
アートや美術品への投資は、価値の上昇が期待できるため、一部の投資家にとって魅力的な選択肢です。
ただし、美術品市場の動向に依存するため、リスクとリターンの関係を慎重に判断する必要があります。
7. 暗号資産(仮想通貨)
ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)への投資もオルタナティブ投資の一部として挙げられます。
高いボラティリティを持つため、短期的な利益を狙いやすい反面、相応のリスクも伴います。
特有のリスクとは?
先ほどご紹介した7つのオルタナティブ投資には、株式や債券などの伝統的資産にはない特有のリスクがあります。

主なリスクとして、以下の5つが挙げられますよ。
①流動性リスク
不動産やプライベートエクイティ、未上場企業への投資などは換金性が低く、売却までに時間がかかる場合があります。
②評価の不透明性
市場価格が常に付いているわけではない資産が多く、時価評価が難しいため、資産価値の把握が困難なケースがあります。
③高い手数料・コスト
ヘッジファンドやプライベートエクイティなどは管理報酬や成功報酬などのコスト負担が重くなる場合があります。
④規制・法制度リスク
国や地域によっては規制や税制の影響を受けやすく、政策変更によって資産価値や運用環境が大きく変わるリスクがあります。
⑤専門性の必要性
仕組みや投資対象が複雑なものが多く、十分な知識や経験がないとリスクを正しく把握・管理できない可能性があります。
オルタナティブ投資を始める前に確認しておくべきポイント

オルタナティブ投資は、リスク分散効果が期待できる一方で、より専門的な知識が求められる場合があります。

最後に、オルタナティブ投資を始める前に確認しておくべきポイントについて見ていきましょう。
資産運用について相談できるサイト
・【マネードットコム】
オルタナティブ投資を始める前に確認しておくべき3つのポイント
オルタナティブ投資を始める前には、以下3つのポイントを確認しておくことが大切です。
①リスク許容度を理解する
オルタナティブ投資は、伝統的な投資とは異なるリスク要因を持つことが多いため、投資対象のリスクを十分に理解しておく必要があります。
➁目的と投資資金を確認する
投資を通じて得たい目的(資産の増加、インフレ対策など)や、投資に使える資金を明確にし、リスク許容度と照らし合わせて投資計画を立てます。
③専門的な知識の習得
オルタナティブ投資は専門的な知識を必要とする場合が多いため、投資対象に関する情報を収集したり、専門家に相談することが推奨されます。

投資戦略では、まず投資目的を明確にすることが大切です。
ぜひ以下のコラムもご参照ください。
参照コラム
・具体的な投資方針と目標設定|資産形成に欠かせない3つの視点
まとめ
今回の記事のまとめです。
オルタナティブ投資は、株式や債券に依存せず、リスク分散やリターンの向上を目指します。
特に経済の不確実性が高まる時期には、不動産や商品(コモディティ)など、新たな市場や成長分野にも柔軟に投資できる点が特徴です。